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『チ。-地球の運動について-』感動の継承について

※ネタバレあり注意※
※原作7巻までのネタバレがあります※

『チ。-地球の運動について-』を7巻の途中まで読みました。

まだ最後まで読み終わっていないのですが、思った事があるのでここに書き残しておきます。

思った事、それはパデーニがどこまで地動説の真理に近づいて、その上で後世に何を残したのかという事。

パデーニが「自分の成果を残すつもりはない」と言っていたように恐らく彼の研究成果はあの世界に残っていないはずです。

そして異端解放戦線が活版印刷で出版するのはオグジーの文章なので、後世にパデーニの研究成果が伝わる事はありません。

そうなるとパデーニがどこまで地動説の真理に近づいていたのかが気になります。

オグジーの文章をわざわざ出版するという事は、恐らく"彼ら"が亡くなってからの25年間の間に地動説の研究は行われていないはずです。

行われていたとしてもパデーニほどの研究は行われていない。

なので『チ。-地球の運動について-』の世界で一番地動説の真理に近づいたのはパデーニだという事になります。

それでもパデーニが後世に伝えようとしたのはオグジーが文章に残した"感動"だった。

パデーニが言う「感動が伝わる」
ヨレンタが言う「私の感動を、必死に伝えている」
ドゥラカの言う「ここで終わったら、○○さんの感動も死ぬ」

思い返せば第1章のラファウも
「僕の命にかえてでも、この感動を生き残らす」
といっていました。

そして"歴史"に於いてそれが有益であるということ。


『チ。-地球の運動について-』からは地動説や宗教、歴史、など様々なテーマが読み取れますが、その中でも重要視されているものの一つが「地動説への感動」なのだと思います。

それを彼ら/彼女らが後世に受け継いで行こうとしているのです。

以上。

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