毎日超短話752「ライオンに翼」

そのライオンがあくびをしただけで、まわりの動物たちがおののく。起き上がって、散歩に行きたいだけなのに、ピリッとした空気になって、動物たちは逃げていく。翼があれば、どこかへ飛んでいけるのに。ライオンはそう思いながら、空へと帰った。動物たちはそれを見上げて、ときどき、ライオンの淋しさを知る。

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