毎日超短話549「天国の階段」
鳥が道路で轢かれている姿を見る。どうしようもできなくて、目を閉じて手だけ合わせる。目を開けると階段があって、その隣に鳥がいる。
「ぼくは飛んでいくけど、きみは?」
そう聞かれて、ああ、これは天国への階段なのかと気が付く。ということは、わたしもまた死んでしまったってこと? 天国に行けるならいいかとぼんやり考えて目を閉じる。
また目を開けると、そこには轢かれた鳥もいなくて、わたしは天国じゃないところにいた。地獄でもないから、まだここにいようと思っている。
一年前の超短話↓
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?