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毎日超短話494「ゲームセット」

楽しみにしていた試合の前日に、その子は亡くなってしまった。今日は追悼試合だと、その子を四番バッターにして、試合をはじめた。最終回、満塁になったところで四番に打順が回る。ここまで、三振、三振、四球。フルカウントから投げたボールが、内野に高く舞い上がる。そのままボールは落ちてこない。全員が空を見上げている。誰かが手を振り、さよならと言う。ボールがやっと落ちてきて、ピッチャーがキャッチした。

ゲームセット!

空が笑っている。



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