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aritakakanazawa
毎日超短話64「待ち合わせはローソンで」
コンビニでおにぎりを買おうとした手が触れ合う。こういうのは、図書館とか本屋で同じ本に手をやるやつではなかったかとわたしは思うが、おにぎりでは情緒がない。けれど、触れ合ったその人が、あなたであったから、つい話かけてしまった。
「好きな人いますか?」
間髪入れずに答えるあなた。
「いるよ 」
間髪入れないと気まずくなりそうで、わたしはすぐに口にする。
「どんな人ですか?」
「昔バンドやってて、今はソロになって20周年を迎えた人。君はいるの? 好きな人」
それならわたしだって。
「いますよ。『拝啓、ジョン・レノン』とかを歌う人です」
あなたとわたしは、おにぎりをカゴに入れ、手を繋いだ。