毎日超短話9「夜明け前」
毎日お昼まで寝ている彼女は、
その日に限っては午前4時に起きる。
ベランダに出て、しんとした空気を吸って、
夜が明けるのを待つ。
誕生日おめでとう
という母の声が彼女には聞こえる。
私が生まれた日の朝だ。
母が母になった日の朝だ。
そして母が亡くなった日の朝だ。
お母さんありがとう
彼女は月明かりを見ている。
毎日お昼まで寝ている彼女は、
その日に限っては午前4時に起きる。
ベランダに出て、しんとした空気を吸って、
夜が明けるのを待つ。
誕生日おめでとう
という母の声が彼女には聞こえる。
私が生まれた日の朝だ。
母が母になった日の朝だ。
そして母が亡くなった日の朝だ。
お母さんありがとう
彼女は月明かりを見ている。