#305 あの人はいいなって思うあの人は、めっちゃ今苦しんでるかも。 #3000円の使い方
隣の芝生は青く見える。
あの人はみんなとすぐに仲良くなれて良いな。
あの人は仕事もできてうまくいってるんだろうな。
あの人は才能があってうらやましい。
誰だって人のことを羨ましくなり、自分の状況と引き比べてしまうことはあるだろう。
なんであの人ばっかりうまくいくんだ…..!自分は才能ないんか…!
でも本当にそうですか???
憧れのあの人も、うまくいってる気がするあの人も、実際には今絶望の淵に立ってるかもしれない。
なんてことをこの本を読んで思った。
お金に悩むそれぞれの人生
「3000円の使い方」は2022年のベストセラー大賞に選ばれた小説だ。
「3000円の使い方で人生は決まる」という祖母の話から始まる。
ただ単にお金の話ではない。お金はその人の人生観を現すということから、それぞれの登場人物の生き方を描く。
決して裕福ではない家庭で、子供の将来のために節約をして貯金をする人。
今を楽しめば良いという発想で、季節労働で渡り歩く人。
70歳を超えて夫とも死別し、お金の心配から第二の人生を歩む人。
はたから見ただけでは絶対にわからないその人だけの葛藤がある。
そんなことに気付かされる作品だ。
隣の芝生はやっぱり青い
友人が結婚すると、自分もなぜか焦ったり、
仕事でうまくいってる同僚の姿を羨ましく思ったり、
でも本当にそうなのだろうか。
外側から見ただけではわからない。
お金に困ってなさそうでも、家庭は冷え切っているかもしれない。
仕事がうまくいってそうでも、プレッシャーで押しつぶされそうになってるかも。
コミュニケーションが得意そうでも、気疲れで日々疲れ切ってるかも。
だからやっぱり誰かと比較したって仕方ないことだ。
隣の芝生は青く見えても、実際はそうではない。
淡々と目の前のことをやろう。