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#393 江戸時代の編集者も、やる気の取り扱いに苦労してた。 小説「蔦屋」

一度削がれたやる気は簡単には戻らない。

朝からダラダラと過ごした後で、集中して勉強したり仕事するのは難しかったり、
あるいは必要以上にダメ出しをされると何もかも投げ出したくなったりする。

「やる気」は形がない分失ってることにも気づきづらいから怖い。

そんなことを小説「蔦屋」を読んで思った。

「やる気」の扱いに苦労してたのは今も昔も変わらない。

蔦屋の創業者の話

小説「蔦屋」は江戸時代、蔦屋の創業者である蔦屋重三郎の生涯を描く話だ。

蔦屋は300年経った現代では当たり前になっている本屋さん。
2025年の大河ドラマの題材が「蔦屋」ということで話題になっている。

この本の面白いところは、江戸時代における編集者と作家という観点だ。

良い本を作るために市場の動向を分析して、政府の規制をかいくぐり、作家の機嫌をとりながら出版をする。

令和の今も江戸時代も悩みは変わらないのかな、なんて想像しながら読むと面白いを

やる気は簡単に削がれてしまう。

自分が特に印象に残ったのは、「人のやる気の扱いは今も昔も難しい」ということだ。

編集者である重三郎が焦りからダメ出しをしすぎ、作家のやる気が削がれてしまうというシーンがある。

作り手に必要とされるのは、世間の鼻を明かせてやろうという諧謔精神や、何が何でも成り上がってやるという功名心といった気力だ。
が、これらのものは簡単にしぼむ。たとえば、お上がお触書を出す、版元が無理を言って酷使する。
気力は目に見えないだけに恐ろしい。版元や作者自身も、気力の消失に気づかないことがある。

「蔦屋」p293

最初は勢いで書き進められても、ちょっとしたことでやる気は萎えてしまうし、一度萎えてしまうと立ち直るのは難しい。
編集者の一つの仕事は、作家のやる気をいかに保たせながら出版にもっていくか。

やる気の問題は個人の問題ではなくて、誰にだってありうることだ。

やる気を保つ工夫をする

やるきの問題は何も江戸時代の出版だけでなく、誰しもが直面することだ。

例えば誰かと比較をしすぎるど、自分の小さな一歩が認められず意気消沈する。
あるいは上司に必要以上にダメ出しされると、萎縮して挑戦できなくなる。
怠惰な生活を続けると、いざというときに集中ができなくなる。

自分は大丈夫だと思って油断すると、「やる気」は段々と失われていくものだ。
自分ではなかなか気づけないし、失われてから立ち直るのは3倍くらいはエネルギーがいる。

だから大事なのは「やる気」を軽んじず、日々生活を整えたり、自分で決めた小さな事を守ることだ。

日々の小さな約束を守ること

自分の場合の「やる気を保つ工夫」の一つがnoteを書くことだ。

自分の考えやモヤモヤを言葉にすると、前を向ける。落ち込みすぎなくなる。
今日も投稿できた。という一歩は自分に小さな自信をくれる。

やる気は簡単に削がれるのが普通だから、毎日の小さな一歩を守るようにすると生きやすくなる。

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