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倒産スタートアップの共通点①売上

会社員経験約20年、その内スタートアップで7年経験したゆうゆうが、
これまでの経験を濃縮し、
”倒産するスタートアップの共通点”として5つリストアップしました。

5つの共通点はコチラ!
1.売り上げがない
2.会議が多い
3.反対意見が少ない
4.情報管理が出来ていない
5.役職が無駄に多い

アタリマエのことが多いですが、じゃあ倒産すんなよ!と言いたい。
アタリマエのことを実行できていないことが多いのです。

さっそく1つ目の共通点【売り上げがない】について解説していきます。


赤字のベンチャー企業に入社しても大丈夫!?

まずは似たような記事を見つけた。
ここでは ベンチャー = スタートアップとしておきましょう。
それほど大きな違いはないです。

詳しくはリンク先を見てね

この記事が嘘を言っているわけではなく、正しいです。
もちろん私が言っているとおり、
売り上げがないとベンチャー企業は潰れます。

人によっては混乱するかもしれませんね。


売上がない≠赤字

まさにこれが答えで、これがわからないと会社は潰れます。
大丈夫な「赤字ベンチャー企業」は「売り上げがある」わけです。


赤字とは利益がマイナスな状態

→お客さんからもらうお金よりも多く使っているのが赤字

普通の会社であれば、特に中小企業では赤字は倒産の危機です。
売上や赤字について簡単な計算をしてみましょう。

売上(お客さんからもらうお金)
- 商品の原材料費
- 商品を作ったり売ったりするための人件費など
-----------------------------------------------------------
= 利益


これが基本です。
お肉を仕入れて売るという設定でそれぞれのパターンを見てみましょう。

photo AC(https://www.photo-ac.com/)から、精肉店で画像を入手しました。

例えば¥1,000のお肉があります。
お客さんは¥1,000を払ってお肉をゲットします。

【普通の企業の場合】
お肉は¥500で畜産農家から買ってきました。
畜産農家との交渉をした人間の給料が¥250です。
仕入れたお肉をお客さんに売る人の給料が¥250です。

売上 ¥1,000
原価 ¥500
販売管理費 ¥500
利益 ¥0


【赤字でも大丈夫なベンチャー企業の場合】
ベンチャーにはお肉を安く売ってはくれませんので、
¥600でお肉を何とか仕入れます。
人件費もちょっと高くて¥400、
でも人手がいないので仕入れと販売両方やります。
ベンチャーのお肉を高く買ってくれる人はおらず、値下げします。

売上 ¥850
原価 ¥600
販売管理費 ¥400
利益 ¥- 150


【潰れるベンチャー企業の場合】
¥600でお肉を何とか仕入れます。
人件費もちょっと高くて¥400、
赤字でも平気だぜ!を鵜呑みにして、頑張って売ることをしませんでした。

売上 ¥0
原価 ¥600
販売管理費 ¥400
利益 ¥- 1,000


同じ赤字企業でも、売上がないというのはこういうことです。

ベンチャー企業は、信用が少ないため
安く仕入れることが難しいし、高く売ることも難しいです。

それでも、このベンチャー企業のモノを購入したいというファンが付いたり、企業努力によって安く提供することによって発生する赤字があります。

潰れるスタートアップの「売上がない」は、
このファンがつかない企業努力がないことを意味します。

つまり、売上とはその企業の製品や価値を認め
好きになってくれたファンを意味します。
売上(販売数やアクティブユーザー数)=ファンの数 です。


スタートアップはアイドルの推し活とおなじ

photo AC(https://www.photo-ac.com/)から、精肉店で画像を入手しました。

まだ実力もなく大きく稼ぐことが出来ないスタートアップ
まだ実力もなく大きなライブ会場でライブができないアイドル

アイディアは良いが、商品がニーズと微妙にマッチしていない
コンセプトは良いが、パフォーマンスや活動内容に問題がある

どちらも、早期に気づいてくれたファンと、
一緒になって”売れる”まで、トライandエラーを繰り返していく

ファンが求めるものと、提供価値が一致した時、
爆発的に人気がでて、いわゆるバズる
わけだ。

それを、スタートアップ界隈では
プロダクトマーケットフィット(Product Market Fit : PMF)という。

日本のスタートアップ企業のほとんどは、
PMFすることが出来ず、倒産していく。


売上がないベンチャー = ファンもいないのに赤字

こんな恥ずかしいことなのに、それに気づいていないわけだが、
なんでそれでも平気なツラしてスタートアップを続けていられるのか?


ベンチャー企業の成り上がり方

ここからは、僕の仮説だ。
倒産する企業の社長になったことが無いので、
なぜこんなファンもいないのに企業として活動するはずかしいことになるのか僕には想像することしかできない。

箸にも棒にも掛からぬベンチャー企業は、
そもそも長くは続かない。

アイドルでは、素質を見抜かれて事務所にスカウトされたり、
オーディションを勝ち抜いて芸能界に入ることが多いだろう。

スカウトもされないし、オーディションを勝つことが出来ない企業は
長くは続かないので、儚く散るだけだ。


スタートアップ界隈にもオーディションがあり、
いわゆる、ベンチャーピッチと言われるものだ。

まぁアイドルやタレントでいう、オーディションだ。
特技を披露したり、タレント性を審査員が見出す場所だ。
ベンチャーピッチも投資家に向けてビジネスプランをプレゼンテーションする場である。

見事オーディションを勝ち抜くことが出来れば、
いよいよ投資家からお金を得ることが出来る。。。


正直、この投資家(ベンチャーキャピタルも含む)が厄介だ。
タレント事務所は、そのタレントが活躍するために育成をする。
しかし、投資家はあまりベンチャー企業を教育することは無く、
ただ、金を払うだけのことが多い。
それは、企業側が反発することも多いし、
投資家が育成することが出来ない(能力がない)こともある。

芸能界でも、所属事務所の言うことを聴かず、
ワガママにタレント活動をして成功した人は、多くはないだろう。

このあたりは、過去に記事にもしているが、
タレントと芸能事務所のような関係ではないように思う。

お金がすべてを狂わせる?!

ベンチャーピッチを勝ち抜き、
投資家から投資を受けるようになる。

何億、何十億というお金を投資してもらうことになる。

恐らくここが運命の分かれ道になっていると思う。
それほど重要なポイントだろう。

あくまで、ビジネスプランに期待して投資がされているわけであり、
その企業の商品が売れたわけではない。
商品自体にファンがついたわけではない。

失敗する多くのベンチャーは恐らく勘違いをする。

ビジネスプランに投資されたわけで、
商品のファンがついたわけではない。

何一つとして成功はしていない。
ましてや、あなた自身を認めたわけではない。

だが、なぜか成功してしまったかのように
本来するべき仕事をしなくなることがある。
そう、とたんに”偉く”なってしまうのだ。

上記、精肉店のシミュレーションの時に出てきた
「赤字でも平気だぜ!」
なぜなら、ベンチャーピッチで認められた商品だし、
価値がわからない奴が悪いし、
投資を受けているので、お前らなんぞに売れなくても何の問題もない。
価値がわかるやつが勝ってくれればそれでいい。

という思想になっているのではないだろうか。。。

お金によって狂った経営者のその後は、
”倒産するスタートアップの共通点”の一つ
3.反対意見が少ない
に繋がる話になっていく。

倒産スタートアップに転職しないための、見極め質問!


売上について質問しましょう。
失礼でも何でもない、
これから入社を検討する会社で、必須の質問だと思います。

ファンが付いている事、
つまりアクティブユーザーについて確認
しましょう。

そして、「その状況についてどう考えているか」、「この先の展望」について話を振ってみましょう。

「今は売り上げが少ない」という回答は当然予測されます。
また、売上があるからと言って騙されてはいけません。
本来の事業の売り上げ、ファン、ユーザー数を確認するようにしましょう。
そして、その先どこに注力していこうとしているのか確認しましょう。


コロナの頃は、実は”バブル”のような仕事があった。
私の会社も売り上げはあるような状態でしたが、
本業のサービスは全く売れておらず、ユーザー数の停滞が続いていました。
そうなると、バブルがはじけた途端に…。


恐らく、面接をするような会社は、資金調達があっただろう。
我々、就職活動中のサラリーマンは、
その資金の使い方、会社の方針、未来を見極める必要がある。
生活していかねばならないのだから。


まとめ

たとえどんなに投資を受けたとしても、
たとえどんなに赤字だったとしても、
それは関係ない。

どれだけ調達を受けても、売上が無ければいずれ資金は無くなる。
どれだけ大きな事務所に入っても、
いつまでもファンが付かなければクビだ。

その売り上げがないという結果は、どれだけ調達を受けていても、
変わらない事実である。

目的が、「人から認められること」や、「調達を受けること」という
ショウモナイことなのであれば、起業なんて辞めてしまった方がよい。
関わる人が少ないうちに、被害が大きくなる前に廃業した方が良いだろう。

何か世界の不都合を変えるために立ち上がったはずだ。
何かしらの提供価値によって人々の生活が変わる、そんなイノベーションを目指して起業したはずではなかったのか?


その結果は全て、売上に現れるということだ。


あまりにも当たり前の事
だが、なぜか倒産する企業は勘違いをしてしまう。

資金調達はPMFするまでの時間稼ぎだ。

その時間は全て「売り上げを上げること」に使うべきではないだろうか。
売上を上げるために開発に投資するでもよい、とにかくファンを増やす、PMFを目指して時間とお金を投じる事だ。

資金調達は、現状の事業に価値があると判断され、投資を受ける。
だが、その売り上げがうまく上がらない時に、
つい資金に余裕があると、次のこと、別のことを考えてしまいがちだ。

もう一度言う、
今ある資金は、既存事業についた金

つまり、新しいことを始めるために着いたお金ではないということ。

新しいことを始めるのであれば、またピッチに出て、認められなければならないと思うが、不思議なことに調達した資金を投じてしまうことがしばしばみられるのは残念なことだ。

そんなことに使ってほしいわけじゃない
アナタたちの経営力(運営力)に資金を投じたわけではない!!

その資金は、
既存事業のアイディアに、その未来に可能性を見出したからだ。
そこを勘違いしている経営者が多いのではないだろうか。。。



こんなのアタリマエのことだよ。
だけど、それができないのはなぜだろう?

95%が倒産する。
その経験が日本のスタートアップ界隈で活きていない。
それが日本の企業文化のダメなところだろう。


最後まで読んでいただきありがとうございました。
引き続き、のこりの4つも応援よろしくお願いいたします!


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