メディカルトレーナーが現場で忘れがちな、観るべきポイント
本日の現場からは、
【メディカルトレーナーが現場で忘れがちな、観るべきポイント】と題してお話します。
私はこれまで15年以上スポーツ現場での活動を生業としてきました。
ベースには鍼灸師という資格があるので、メディカルトレーナーとしてその多くを過ごしてきました。
メディカルトレーナーは、選手の身体をケアする事が仕事の一つです。
関わる選手は、ケガ人(リハビリ中)や復帰間もない選手から、試合に出ている選手までと幅広く様々な選手の身体を触ることになります。
当然ケアだけではなく、フィールドに出てスキル練習の補助なんかもします。
(野球ならキャッチボールの相手をしたり、ティーバッティングの球を上げたり、バスケならリバウンドを拾ったり)
その際に以前の私は、これと言った理由は無いのですがメディカルということ?もあり、どうしてもマイナスな部分(○○関節の動きが悪い、△と◇の連動が悪いなど)を無意識に観ている事が少なくありませんでした。
私と同じような方がいるはずと思い、この記事を書くことにしました。
あなたは何を観ている?
知らず知らずのうちに、悪いところがないかだけに注目して観ていませんか?
私はそうだったし、むしろ、それが大事だと思っていました。
(当然、それも大事ですが)
気づいたネガティブな部分を選手とあれやこれやと話す。
そうしたやり取りは、障害予防に繋がったり、より効率良く身体を使うことが出来るようになるかもしれないので、もちろん大事なやり取りだと思います。
しかし、過去に出会ったAトレーナーから言われたことがあります。
最初は、その意図をすぐに理解する事ができなかったし、それより何よりやる事(リハビリやドリル)があったので〝わざわざ〟そこに時間を割くことはありませんでした。
少し手が空いた時に、意識的にブルペンでピッチングを観たり、ケージの近くでバッティングを観たりするようになりました。
Aトレーナーからは、
「とにかく観ろ。そしたら、観えてくるから」と言われました。
はたから見れば、何もせずただ突っ立っているだけに見えるので、あまり長時間観ているのは内心イヤな部分もありました。
(当然その間、他のトレーナーは誰が見てもわかるそれっぽい業務をしているので)
しかし、続けていくうちに、その価値に少しずつ気づいていきました。
選手の日常の競技動作を観察することで、いつもとのちょっとした違いを感じたり、それ以外の部分もより注意深く観るようになりました。
ちょっとした変化に気づくことが出来るのは、日常を知っているからで、観察しているからです。
何より、
〝健康な状態でリアルにプレーしているところ〟を観ることができるのは、現場トレーナーの特権でもあります。
病院や治療院に来る選手はどこかに不安や不調があったりすることが多いと思いますし、全力でプレーしているそのリアルをリアルタイムで観ることは出来ません。
そんな事を考えても、現場トレーナーが健康な状態の選手がプレーする姿を観ておくことは、とても価値がある事だと思っています。
過去のエピソード
ある投手が試合で登板していて、ある一球を投げた後にAトレーナーが「あかん」と言いました。
同じシーンを見ていた私はその変化に気づくことは出来ませんでしたし、特段いつもと変わりないように見えました。
なんなら、その一球前となんら変わりないように見えていました。
しかし、そのイニングを投げ終えると投手自らトレーナールームにやってきて、肘がおかしいと申し出てきました。
結局、そこで降板し、その後の検査で前腕の肉離れが判明しました。
今でも鮮明に覚えているし、常日頃から選手の動きを観ておきなさいと言われていたことを身に染みて感じた出来事でした。
当然ながらベストは、ケガを発症する前に何かしらの異変に気づき、未然に防ぐ手段を取る事が求められます。
(Aトレーナーの言葉にならない悔しそうな表情はハッキリと覚えています)
このエピソードもそうですが、やはり普段から選手の状態を観て把握しておくことで、いつもより良いや悪い、マイナスな部分(○○関節の動きが悪い、△と◇の連動が悪いなど)もより観えてくるはずです。
是非ともスポーツ現場で活動するトレーナーは、そういった部分(健康にプレーしている選手の動き)を観る時間を意識的に作ってみて下さい。
というわけで、
【メディカルトレーナーが現場で忘れがちな、観るべきポイント】と題して、お話させて頂きました。
本日も、最後まで読んで頂きありがとうございました。
気づきのキッカケになった方は、いいねやフォロー、シェアなどを宜しくお願いします。
それでは、この後も心身ともに充実した時間をお過ごしください。
以上、現場の竹田祐平からでした。
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