イクメン雑誌編集部なのに!はじめて「男性の育休取得」が社内で実現するまでの話。(第1話:社内への報告編)

みなさん、こんにちは。
社内で男性育休第1号のイクメン雑誌FQ JAPAN編集部の林です。

最近は、イクメンという言葉は、
2018年にハライチ岩井さんが、
『イクメン』呼びに苦言を呈されから、
編集部でも使いづらい言葉になっております。

(「流行らせたのはお前らだろ!」..て突っ込まれそうですが…)

岩井さんの言葉を引用すると、

お笑い道みたいなのを語ってた芸人が後々子どもができて、結局『イクメン』アピールしてる。

自分の子どもを育てて『イクメン』って意味分かんない!当たり前のことしてんだよ?何『イクメン』って。

気持ち悪い言葉!『イクメン』って。

引用:ゴットタン(2018)TV東京

ん〜、岩井さんのご指摘はごもっとな部分も。

子どもを育てるのは、親として当然のことです。そのことを多くの人が意識し、『イクメン』という言葉がなくとも、両親で育児をするのが当たり前の社会になって欲しいです。

しかし、悲しいことに、日本にはこの「当たり前」が「当たり前じゃない」のです。「男は仕事、女は家庭」のような固定観念をもつ男性シェアの方が圧倒的に多数なのが現状です。 

しかしこの概念に程遠い父親たちからすると『イクメン』という言葉は違和感でしかないでしょう。

だが、日本の男性育休取得率は令和の時代に入っても12%と、圧倒的マイノリティであるのだ。
…コピーライティングはむずかしい。

そんな中、2022年4月。
改正育児・休業法が施行されました。今回の法改正では、男性の育休取得を促進するための新たな制度「産後パパ育休(出生時育児休業)」が創設され、令和4年10月からスタートします。

遡ること、2020年10月。
筆者は、所属しているイクメン雑誌 FQ JAPAN編集部初となる「”男性の育休取得”第一号」となりました。

イクメン編集部のはずなのに「第一号?」

こちらに疑問を持った方も多いはず….

なぜ「男性の育休取得」が必要なのか。

なぜ中小企業が「男性の育休取得」が取りにくいのか。

前置きが長くなりましたが、
この記事では、そんな内容を少しずつ綴っていきたいと思います。

目次
1.そもそも「妻の妊娠を社内へ伝えるタイミング」について
2.男性が育休取得を会社へ”なる早”で伝えるべき4つの理由
3.まとめ

1. そもそも「妻の妊娠を伝えるタイミング」について


2020年1月25日、妻から「妊娠したかも知れない」と一通のLINEが。

バクバク(心臓の音)

職場から帰宅し、2人で再度妊娠検査キットで確認したところ

….「陽性」反応が。

いわゆる妊活を初めた矢先だった為、2人して喜びを分かち合いながらも、

冷静に今後のtodoについて話し合いを行いました。

その時に決めた報告(相談)をしていくスケジュールと順番は以下でした。

①産婦人科(すぐに)
②妻方の両親(すぐに)
③筆者方の両親(妊娠10週ごろ)
④妻の職場への報告(妊娠10週ごろ)
⑤筆者方の職場への報告(妊娠16週ごろ)

Googleで検索すると「安定期に入ってからの会社への報告」をオススメする口コミサイトや情報サイトが数多く存在します。

それらの記事が、「安定期に入ってから」を推す理由としては、

妻のつわりが落ち着くから

「流産の可能性が低くなるから」

などと書かれています(zutti 2022)。

筆者もネット情報を鵜呑みにし、
安定期と言われる妊娠16週ごろに人事担当と直属の上司へ報告を行いました。

これについては、賛否両論ありますが、出来る限りなるべく早い方がメリットが多いということは断言できます。

"なる早"を推奨するきっかけとなった筆者のエピソードを紹介します。

FQJAPANの発行元及び筆者が所属している小規模出版社の、
育休希望者にとっての"幸運"と"不運"について(当時)。

まず幸運部分について。当社が出版しているFQ JAPANはイクメン雑誌である。そして会社の理念としても「持続可能な社会を実現する出版社」である。


※まだ読んだことがない方がいれば是非。

つまり、社内では男性の育休取得の理解度は浸透している状態でした。上司、人事、取引先の関係者は、取得することが「当たり前」の前程で話し合うことが出来ました。

一方、不幸というのが、
何を隠そう、
小規模出版社である事業体の為、
男性の育休取得者は筆者が初であったことです(イクメン雑誌15年の歴史の中で!)

つまり、社内雰囲気は「ウェルカム」であったが、実際にどのように申請を出すのか?どのように補助されるのか?引き継ぎはどうするのか?周り回って本当に育休取って大丈夫なのか?

すべて一から社内制度を整える必要がありました。

いわゆる大企業と異なり中小企業のケースは、社員数も多くないので、上層部とのコンセンサスと社内システムの構築のWのハードルをクリアする必要があるのです。

ここで諦めたら試合終了です。

筆者は、人事の担当者と連携して、自ら申請ルートや補助金についてリサーチを行い社内フィードバックをしました。また、引き継ぎについてのマニュアル作成も行いました。

2. 男性が育休取得を会社へ”なる早”で伝えるべき4つの理由

①自分自身で主体的にリサーチをする。

「ウチには育休制度がない」という勘違いだけはしないように!社内制度ではなく法律で定められていることである事です。社内に男性育休取得の実績の確認を行い、実績なしの場合は人事部と相談しながら、担当者へ厚労省のページやニュースサイトのURLを共有するなど、一緒に築き上げていく姿勢をオススメします。

②上司とのコンセンサスをしっかり取る事。

従業員である以上は決裁権をもつ上司の信頼を勝ち取ることが重要です。「育休取得」に向けて強い意志を持ち続けながら、丁寧に時間をかけてコンセンサスを取っていくことが、実は近道です。また早めに報告をしておくことで、パートナーがつわりなどで体調不良の際のケアについても理解を示して頂きやすいです。

③後任探しには時間が必要

取得日数にもよりますが、1年間の長期などは新規の雇い入れなども会社は行うことになります。採用活動も含めると、人材の確保・調整も含めてなるべく早めの申し出は会社にとってもメリットがあります。

④2022年4月からの法改正に企業は対応する必要

2021年に育児・介護休業法が改正され、2022年4月から、事業主は妊娠・出産を申し出た従業員(本人・配偶者)に対して、育児休業制度を周知して、取得意向を確認する義務が課せられることになりました。さらに、2023年4月に企業側は、育児休業の取得状況について公表する義務も課せられるようになります(zutti 2022)。

3. まとめ

今回は、『イクメン雑誌編集部なのに!はじめて「男性の育休取得」が社内で実現するまでの話。』の第1話:報告編として、自分自身の経験を交えながら、最大のライフイベントの一つである出産・育児に関する、会社とのコンセンスの取り方についても解説させて頂きました。

男性育休が取得率が向上すれば、ハライチ岩井さんが指摘するように『イクメン』という言葉がなくなるかも知れません。イクメンの次のターンに期待です。

次回は、「育休中は何をするのか?編」についてお送り致します。

最後までお読み頂き、ありがとうございました。

以上

【参考文献】

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