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絶望の中にいる子どもたちへ

あなたは悪くない。

全力でこの言葉を届けたい。

そしてもう少し待っていてほしい。
僕らがこの世界を変えるから。

あなたがこの諦めかけているこの社会は、私たち大人がつくってきた社会だ。
ごめん、こんな社会にしてしまって。
本当にごめん。

でも変えていく。
あなたがいつか「あの時、生きる選択をして良かった」と思える社会にする。

もう少し待っていてほしい。
こんな社会の中で「待っていてほしい」なんて、これほどあなたを苦しめる言葉は、願いはない。

僕のわがままでしかない。
でも待っていてほしい。

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あなたは今、絶望の中にいると思う。

なんで大人はこんなに怒るの?
私はこんなに苦しいんだよ?

学校がこわい。
だって行くとあの怖い人が待ってる。
周りにずっと見られている気がする。
表面上ではいい顔して、裏で何を言っているかわからない。
私もできるなら学校に行きたい。でも怖いんだ。
身体が動かないんだよ。
学校に行かないことってそんなに悪いことなの?
学校に行かないと、人生が終わるの?本当に?
学校に行かないとダメ人間になるの?
学校に行かないと人間失格なの?
学校に行かないと大人になれないの?
学校に行かないと、私は何もしてはいけないの?
私の好きなことも全部しちゃダメなの?
ずっと私は自分の部屋にこもっているしかないの?

私が今何を考えているか知ってる?
私が何に苦しんでいるか知ってる?
私の声は聞こえてる…?

頭の中はそんなことでいっぱいなんだと思う。

たくさん怖い思いをして
今なんとか生きるために
ぐっと堪えているのだと思う。
歯を食いしばっているのだと思う。
大声で叫びたいのを我慢しているのだと思う。

本当は周りを気にせず、泣きたいのに。
本当は周りを気にせず、叫びたいのに。
今どうしていいのかわからなくて、ぐっと堪えるしかなくて、ただただそこで耐えているのだと思う。

この社会は理不尽なことばかりだよね。
社会は理不尽でいっぱいだ。

「あなたのために」なんて言って
大人は、自分たちの期待を
あなたに覆い被せて
あなたの声を聞こえないようにする。

ごめん。
私たち大人はわがままだ。
私たち大人は何もわかっていない。

あなたが感じていることも
考えていることも
何もわかっていない。

聞いているふりをして
わかっているふりをして
あなたの心の声には耳を傾けない。

「わがまま言うな」
「大人の言うことを聞け」

そんなことを言いながら
大人が一番わがままだし
子どもの話を聞いていない。

本当にごめん。

そんな中で生活していて息苦しいよね。
希望も何もあったもんじゃないよね。

唯一の楽しみだったゲームやスマホだって
没収される。制限をかけられる。

スマホ、ゲームをしているときは
つらいことを考えなくて済んだのに。
気持ちを楽にできたのに。
唯一の逃げ場だったのに。

あなたの声を聞いてあげられなくて、本当にごめん。

「なんで学校行かないの!」
「甘えないの!」

学校に行くのがしんどいって言ってるのに
「助けて」って言ってるのに
誰も気づいてくれない。

学校に行くと心が壊れそうだから
自分がおかしくなりそうだから
行きたくなかったのに

大人の期待を押し付けてごめん。
大人の常識を押し付けてごめん。

ここでも僕のわがままを押し付けてしまうかもしれない。
でも生きてほしい。

あなたに生きていてほしい。
命を終えることを考えている子もいると思う。

この社会に絶望して、希望なんて1つもなくて、誰も味方がいなくて。

どんなにもがいたって、どんなに耐えたって、良い方向へ進むことがない。なんとかしようともがくたびに、傷つけられる。

こんなにも生きることに精一杯なのに、心がズタズタに引き裂けられながらなんとか生き抜いているのに、それでもまだ「がんばれ」って言われる。

何を、どう頑張ればいいかなんて、もうわけわかんないよね。

がんばらなくていい。
学校に行かなくていい。
周りにいい顔をしなくていい。
無理して笑顔をつくらなくていい。
「だいじょうぶ」って言わなくていい。
周りの期待に応えようとしなくていい。
ただただ生きていてほしい。

僕はそう思う。

「生きていればいいことがあるよ」

そんな言葉をかけられたこともあると思う。ぼくはそんな簡単にその言葉は言いたくない。

でもこの広い世界に、あなたを理解する人が、あなたの味方が1人もいないなんてありえない。
僕は信じたくない。

僕も、何度も死を考えたことはある。
”本当の自分”を隠して、”周りに受け入れられる自分”を演じていた子どもの頃がある。
周りにいる”できる人”と比べて、「どうせ自分は」って自分を責めていたことがある。

「なんでこんなに頑張ってるのに、報われないんだ」って、「なんで自分ばっかりこんなにしんどいんだ」って、絶望したことがある。

でも今こうして生きている。2024年7月に誕生日を迎えて、31年生きたことになる。
今は胸を張って堂々と言える。

僕は今、幸せになることができた。

お金があるからじゃない。
周りに褒めてもらえるからじゃない。
自分の好きなことをやれているからじゃない。

どんなにダメダメな自分でも、一緒にいてくれる人がいるからだ。

LINEをすると「どうした?話聞くよ」ってすぐに返事をくれる人がいる。

生活費に困って、でもお金のことだから誰にも言えないと思っていたのに、「ひとりで抱えるな。なんでも頼れ」って助けてくれる人がいる。

人としてよくないことをしても「気にするな」って許してくれる人がいる。
何もかももうダメだと思った時に「なんかあったら言ってな」って支えてくれる人がいる。

どんなにボロボロ涙を流して、どんなにひどい顔をしていても、何も言わずそっと隣にいてくれる人がいる。

僕は大勢のこうした人たちに助けられている。
支えられている。

今、絶望の中にいるあなたには、おそらく身近に味方がいないのだと思う。
どんな自分でも受け止めてくれる存在がいないのだと思う。

そんな存在がたった1人でもいれば、それはあなたの希望になると思う。
最初はかすかな光のはず。

見えるか見えないか、そんな小さな光のはず。
でもその光を、勇気をふりしぼってしっかり掴むことができれば、その光はどんどん色を増していく。

今までの人生を否定するかのように、確かな光に変わっていく。そしてその光は他の場所にも増えていく。

でもなかなかそういう光に出会うことは難しい。

僕はあなたの光になりたい。
僕はそんなに大きな力は持っていない。
でもこの気持ちはたしかにここにある。

これまでたくさんの失敗をしてきた。
たくさんのしんどい思いを経験してきた。

「あなたの気持ちがわかる」とは言いたくない。
でも「あなたの気持ちをわかりたい」、それは本心だ。

すぐにでもあなたの目の前に行きたい。
行って、ただただ隣にいたい。
けれど、それは現実的に難しい。

だから僕は、僕以外にもあなたの味方を増やすために、今全力で動いている。

だからまだ待ってほしい。
この世界に絶望はしても、自分の人生を諦めることはまだ待ってほしい。

この世界に必ずあなたの味方はいる。必ずだ。
もちろん僕はその1人。
いや、その1人にならせてほしい。
信じられないかもしれないけど、それでも伝えたい。

僕はあなたの味方だ。
この世界に絶望するあなたの味方でありたい。

頼む、生きてくれ。
僕のわがままなのはわかってる。
でもこれだけは頼む。

生きていてほしい。
まだ終わらせないでほしい。

あなたが我慢させられている分、ぼくが叫ぶ。

ふざけんな。
ちゃんと私たちの声、聞いてよ。
聞いてるふりじゃなくて、ちゃんと私に目を向けてよ。
「あなたのために」なんて言わずに、わたしの顔を見て、わたしの言葉を聞いて。
お願い、本当に大事なことに気づいて。

ぼくがずっと叫び続ける。

そして最後に。
これは1つの事実として伝えたい。

絶対にあなたは悪くない。
あなたは生きているだけでいい。
ありのままのあなたでいい。
あなたは、あなたがいい。


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後記:

私は普段、子どもが不登校になった保護者の方の相談に乗ることもよくある。
今回の文章は、もしかしたらそんな保護者のみなさんを傷つけてしまうかもしれないと思ってもいる。

悩んだ。
とっても悩んだ。

この文章を書くのにも時間もかかったし、書いてから出すまでにも時間がかかっている。

でもこうして公開した。
それは「子どもがあたりまえに笑って生きられる社会にしたい」という私の願いを、言うなれば私のわがままを叶えるためだ。

考えに考え抜いて、「今しんどい状況にある子ども」以外のことは一切考えないことにした。

普段はあまりしない選択。
いろんな人のことを想像して、できれば傷つく人が出ないように考えて、言葉を紡いで、文章を書く。

けれど、今回だけは許してほしい。
文字を打ち込みながら、もう身体中の水分は穴という穴から出しきった。
疲れた。

子どもたちが安心して、笑顔で生きられる社会になりますように。ずっとずっと願い続けるし、そのために行動し続けます。

子どもたちを支える側のみなさんは、ぜひ「僕ら」の仲間に加わってほしい。
子どもの表情や声に全力で意識を傾けてほしい。
一緒に子どもたちの代わりに叫び続けてほしい。

最後まで読んでくださって、ありがとうございました。

「あなた、誰なの?」
という方は下の記事で気になるものを読んでみてください。

あと保護者の方には、ぜひ一番下に置いた、不登校情報サイト「たより」をご覧いただけたらと。フリースクールなどの情報もありますし、先輩パパママの手記もあります。
少しでも安心につながりますように。


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