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頭と心の栄養~2024年9月の読書メモ~

私にとって毎月の読書量は、能動的に行動したかどうかのバロメーターになっています。忙しくて受動的に流されてしまうときは、YouTubeの視聴量が上がり、読書はゼロ。私にとって読書は能動的な娯楽なのだと思います。

さて、2024年9月に頭と心の栄養となってくれた4冊をご紹介します。

1.幸せへのセンサー(吉本ばなな著)

この裏表紙の帯の言葉を何度も受け取るだけで、心の力が抜けて自然体になれるくらい、癒しの1冊でした。眠ったり休んだりしている時間も決して無為ではなく、身体は常に動いてくれて疲れた自分の修復作業をしてくれているんだと実感します。

「周りを幸せにしようとして、自分が不幸になってはいませんか。」

真面目な人が陥る自己犠牲をやめて、自分を大切にする考え方、自分を豊かにする方法がここには書かれていました。

学歴、就職先、結婚、子ども、家庭、昇進昇格、収入増など、私たちが長い時間をかけて社会や会社にとって都合の良い幸せを刷り込まれてきている中で、それらが幸せをもたらすことは事実としてあるとしても、本当にどうしても必要かな?と立ち止まってみることや、日々の生活の中でどんなときに「気分がいい」のかを自覚して、なるべく気分がいい瞬間を積み重ねていきたいものだと思います。

2.坂の上の雲 二巻(司馬遼太郎著)

8月から社労士仲間の影響で読み始めた全8巻の長編小説。日本が明治維新を成功させて近代国家として歩み出し、日露戦争勝利に至るまでの勃興期の明治日本が描かれています。

物語は秋山好古・秋山真之・正岡子規の3人の登場人物の視点で時代が浮かび上がってきます。第二巻では日清戦争の中で陸軍少佐の秋山好古と海軍少尉の秋山真之はそれぞれの戦場へ向かい、正岡子規は胸に病を抱えつつ近代短歌・俳句を確立しようと奮闘します。

日清戦争での清と日本の陣形の違い、清国軍人と日本軍人の士気の差の描写も細かいので、サラッと読み飛ばすと状況がわからなくなるので、隙間時間であっても集中して読みたい内容でした。

秋山兄弟にしても、正岡子規にしても、社会の流れの中で自分自身の命をこの道で使うという意思を固めてからのエネルギーの注ぎ方といったら凄まじいものがあり、その生き方からは少なからず影響を受けるなぁと思います。

3.坂の上の雲 三巻(司馬遼太郎著)

日清戦争から10年、じりじりと南下するロシアの脅威を間近に感じる時代に、病の床から数々の偉業を成し遂げた正岡子規が逝ってしまいました。各々の道で燃え尽きるような生き方には何とも言えない熱さと寂しさがあります。

第三巻はちょうど半分まで読み進んだところなので、また来月続きを書きます。

4.労働基準法の実務相談 令和6年度版

社労士として実務本を読むのは、刃を研ぐような活動でもあり、実務経験を体系的に言語化される快感のような楽しみもあります。550ページ近い分厚い本なので、毎月少しずつ読み進めています。法律ごと、テーマごとにQ&A方式で全304問。1問あたり数ページで1問完結なのでとても読みやすく、思考の観点が増えてとても実りある読書時間になっています。

今月は第1編の「労働基準法・安全衛生法」の中でも、総則・労働契約に関する20問を読了。読み進める中で、実務的に興味深かったところは、今年4月にアップされた労働条件通知書の厚労省ひな形に「就業規則を確認できる場所や方法」が載ったのは何が論拠なのかなぁと見るたび気になっていたのですが、偶然見つけてスッキリ!(通達の改正対応でした。)

10月も少しずつ読み進めていきたいと思います!



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