シェア
おな
2018年12月31日 12:00
あの人のこと、たまに思い出してしまう。 思い出したくなんてない。 ……嘘。本当は思い出したいのかもしれない。 でも……。 思い出してしまって辛くなるのは、私。 だから思い出したくないのだけど、それでも、思い出してしまう。 どうしたら、 あの人のこと、 完全に忘れてしまうことが出来るのだろう。 もう、絶対に、 思い出さないように、なれるだろうか。 辛いの
2018年12月27日 09:00
「夢の中で消えようよ」 夢の中にいる僕に向かって、サユキはそう言った。 「消えるってなに?」 僕はただ、あまり深い意味も考えずにそう問いかける。 その言葉にどんな意味が込もっているのか、暗に潜められた真実は何なのか。そんな事いちいち考えてもいられない。だってこれは夢なのだから。 「ひとつ聞きたい」 サユキは僕の目を真っ直ぐに見つめ、言葉を続けた。 「もしかしてこれを夢だと
2018年12月21日 08:00
2度寝って、なんでこんなに気持ちいいのだろう。 と、僕はいつも思う。 2度寝の気持ち良さを、1度目の睡眠に使うことは出来ないのだろうか、と思ったりしてみたり。 でも、その快感を一度目の睡眠に味わうことは出来なかった。 何度それを試みようと思ってみても、それはそう容易いことではない。 だから僕はいつも、目的の時間よりも15分早くに目覚まし時計を鳴らし、”確信犯的な”二度寝をする
2018年12月19日 08:00
「風邪をひいたの」 彼女からの電話を取ると、唐突にそのように告げた。 「あ、うん、え?大丈夫?」 僕は唐突にそのように返し、どの動向を伺う。 「ううん、風邪をひいたの」 彼女はそれを繰り返すばかりで、それ以上先に会話を進めようとしない。 「あ、うん……」 僕は曖昧な返事を返す。核心から遠ざかるように、遠ざかるように。 「え?聞こえてる?私、風邪をひいているの」
2018年12月17日 08:00
「多分、俺の思考回路って一般的なんだよ。ものすごく一般的で、メジャーなんだけど。俺はそんな自分がすごく嫌なんだよな。……俺はそれを一生懸命に避けようとしてる。そうならないように、意識していないと、そうなってしまいそうで」 音楽を創り出すものの気持ちは、僕にはもちろん分かるはずもない。ただ、もしかしたら創作をする人の気持ちは分かるかもしれない。 「マイノリティを一番左側に持ってきて、マジョ