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卒業生の成人式に寄せて-本当に伝えたいこと-

成人の集いで見た輝く学生たち

この晴れやかな日に、とっても湿っぽいお話が混在してしまいます。今日は学校で成人の集いがありました。毎年の行事のようですが、今年は特に拡大版で、たくさんの生徒が懐かしい学び舎に戻ってきました。私は今の学校に移ってすぐに高校3年生を受け持つことになったのでその時の生徒たちです。思ったよりたくさんの新成人が顔を見せてくれました。みんな生き生きとしていて、輝いて見えました。

本当におめでとうございます。きっと保護者の方も誇らしい気持ちだろうと思います。

一方で悲しい出来事も

実は江藤は最近悲しい出来事がありました。高校の同じクラスの人たちが既に4人亡くなっているのです。中でもここ1年で亡くなられた2人について少しだけ思い出話をしたいと思います。

Mくんは演劇部所属でした。演技派で男気があり、イケメン。しかも爽やかで優しい彼はみんなに愛される人でした。大学を出てから飲食関係の仕事をしていたのですが、何年か前に腎臓移植を受けて養生しているとのことでした。いつかまた会えると思っていた矢先、悲しい知らせが飛び込んできました。

Sくんは学校帰りに「いと美」という定食屋でちょいちょい焼き肉定食を一緒に食べて帰ったこともあった人。文系のクラスから自力で東大理科二類合格した勉強マニアでした。大学中退後は英中日3カ国後の弁理士をしていました。オーガニックラーニングが持つEdupreneurの商標登録もやってくれた人です。実は料理上手で弁当の本に寄稿したことも。癌で亡くなられたと聞きました。

ご冥福をお祈りいたします。

自分の人生を生きる

月並みかもしれませんが、学校不適応者のわたしが学校現場で長くがんばる理由は1つで、生徒に自分という人間を生きて欲しいから。それを「人生の経営者」と言っています。型にはまれない先生がいてもいいでしょう?

何年か前にいわゆるエリートの若い女性が自ら命を絶った悲しいことがありましたね。私はその理由の1つは教育ではないかと当時感じました。人は自分には一本しか道がないと信じ込んでいるとその道が行き止まりになったとき絶望します。
・職場が合わない。
・仕事でミスをしてしまった。
・職場の人に嫌われている。
・能力が足りない。
・人に否定され、陰口を叩かれている。
そんなの全て思い込みかもしれません。でも、人の尺度で生きているとそんなことが気づかないうちに頭がこんな思考でいっぱいになります。わたしもそう。

こういう悩みって人から見れば些細なことですよね。一方で、残酷なことを言ったその人は今頃自分が言ったことや自分がした表情なんてすっかり忘れて日常生活を送っています。

「人生を一本道だと思っていると、うまくいかなくなった時に他の道に行くこともできずに動けなくなってしまいます。ステレオタイプの正解の道を歩むだけが人生じゃない。未来は自分の望むように変えられる。このことを生徒たちに気づいてほしい」

7、8年前のインタビューで言っていること、今の思い、全く同じです。未来は自分の力で変えられる。

人生の経営者として生きる

私の教育理念のベースは常にここにあります。自分の人生の手綱を持って進む人が育つ場を作りたい。自分の寿命は誰にも分かりません。だからこそ、今一瞬を大切に生きたい。

大人って面白い、未来が楽しみ。そう思えるような場をこれからも作っていきたい。今日来てくれた生徒とは実際は6−8ヶ月程度の付き合いでした。自分のメッセージが伝わることもあまりなかったけれど、彼らに望むことはたった1つ。「幸せに生きて欲しい」。生きているだけで丸儲けってさんちゃんも言ってたっけ。

成人の皆さん、おめでとうございます。
これからの道は、みんな多様で、それぞれに輝いている。
未来に幸あれ。

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