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Canvaで生徒が授業。高2総合学習:プロジェクトイスラム(4)
スライドを作って伝えることで言うと、もう「生徒しか勝たん」状態です。江藤はお手上げ。そして生徒が教える方がなんだかお互い楽しそうで、羨ましい・・・
前回の流れ
さて、前回のブログでは図書館で起こるはずのミラクルが撃沈したと言うお話でした。江藤、失敗。
でもそこから宗教事典を手分けして調べることになったのです。
宗教事典を使って調べる
決して易しい文面ではありませんでしたが、生徒はこれならできる!と読み解き始めます。
7つのチームに分けました。
1)イスラム教の成立:イスラム教がどのようにして起こったのかその過程について
2)コーラン:コーランはどのようなことが書かれているのでしょうか
3)イスラム国家1:ムハンマドの死後、イスラム国家はどのように変わっていったのか、オスマントルコまで
4)イスラム国家2:ペルシアのサファビー朝からヨーロッパ列強による制圧、現代へのヒントについて
5)イスラム法:コーランとイスラム法、そして日常生活の規定、国家のあり方までの影響とは
6)スンニ派・シーア派:イスラム教の中の色々な宗派について、反近代的なイスラム原理主義や経典の解釈について
7)アサシン派、バハイ教:英語のアサシン「暗殺者」の語源となった宗派について、バハイ教について
私自身、世界史は得意でしたが全ては忘却の彼方。さらにこんな細かいことまで学んでいないので、むしろ生徒の授業を聞いて一緒に勉強します。
生徒のCanvaスライド
どれも分かりやすく、授業としても素晴らしかった!こちらの手元にシェアされているものを少し紹介します。
スンニ派とシーア派
このチームは、この記事で紹介したHTくんが「殺戮の宗教史」にハマっていたこともあり、イスラムとはなんなのかを熱心に他の生徒に対してレクチャーするところからスタート。頼もしい!
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みんなが概略を理解したら、今度はYouTubeの説明を参考にしながらスライドの案を考え、次はデザイナーのRが中心に進めます。彼らは結構分担するので一見すると遊んでいるように見えますが実はかなり熱心です。
もう一つの特徴は美しい図解。3人の得意が活かされて分かりやすい!
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イスラム国家(2)
このチームは要領のいい子たち。ずっと遊んでいるのかと思ったら、比較的早く概略を理解してレトロで可愛いスライドにまとめていました。もちろんプレゼン力も折り紙付き!
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こちらも上手に図解を使っていますね。さらに、Google Formを使ったクイズも。盛り沢山です。
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イスラム国家(1)
こちらのチームは凄まじく時間をかけて丁寧に作り込んでいました。お見せできないのが残念ですが、Canvaでは文を少しずつ出していくパワポのようなアニメーションがないので、一枚のスライドを3,4枚に分けて作る気合の入りよう。
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生徒の説明の方がわかりやすい。笑 アプデって!
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コーラン
コーランには何が書かれているのでしょうか。このチームは元気溌剌なWとクールなH。全体にシックなスライドです。
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Google Classroomには一言、「Kahoot!するね!」と書かれていました。
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授業の流れもいい感じ。細切れになっていて飽きさせません。短い時間でしたが、ショートディスカッションも。
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自分たちの調べたことから仮説も提示していました。脱帽です。
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イスラム法
こちらのチームは、言語を学ぶのが大好きなMちゃんが力を発揮。韓国語も得意な彼女ですが、実はアラビア語にハマった時期があったそうで、読めるんだとか。スライドにはアラビア語が散りばめられています。なんかかっこいい。担当としては正しいかどうかももはや分からないですが、そんなことどうでもいいんです。
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ハディース。
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コーランとイスラム法。
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そして最後のディスカッション。ディスカッションってアラビア語でこう書くのか。この話も深くて面白かった!
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アサシン派とバハイ教
この二つは全く別物なのですが、彼女らの説明を聞いて初めて理解できました。スライドもプロ級でしたが、残念ながら手元にありません。このチームはちょっと天邪鬼で、興味なさげに見えることもあるのですが、実は資料を時間をかけてじっくり読み、時間をかけてスライドを作り、成果物はひっくり返るほどのクオリティ。
バハイ教信者から直接聞き取りしたところ…
実は本校には信者の先生がいらっしゃいます。オーストラリア出身の彼を紹介すると、生徒はインタビューに行きました。経典なども見せてもらい、紹介してくれました。バハイ教はバハオラの創唱宗教。この言葉も初めて知りました。経典はとても現代的な印象を受けました。
公式サイトによると
真理の独立探求、バハイ信教の最も重要な原則である人類の一体性、あらゆる偏見の除去、宗教と科学の間に存在しなくてはならない調和、人類という鳥が空高く飛翔するための両翼となる男女の平等、義務教育の導入、国際補助語の採用、極端な貧富の差の排除、国家間の対立に対して裁定を下す世界裁判所の設立、人間社会の諸事を司る原則としての正義の確立があります。
https://www.bahaijp.org/
バハイ教のワークなども見せてもらい、先生の人となりが宗教上の信条にピタリと一致すると感じたそうです。
さいごに
なんでも生徒に丸投げは意味がないのですが、軸さえお互い理解していれば、実はスライド作りも説明も生徒の方が上手だなといつも思います。というのも、生徒が分からないことは生徒がよく知っているし、ペースも分かっているし、その上センスがいい。
Canvaの教育者バージョンであれば、先生への提出もGoogle Classroomとの連携も楽々です。小中高の先生なら申請可能で、認められれば一億点以上の素材も使い放題です。
オーガニックラーニングでは年間を通して様々な講座やワークショップをしています。いつかお会いできるのを楽しみにしています。
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