大学生がみるみる変わった。ハートに火をつけた授業アイデアとは?
オーガニックラーニングの理事でもある、マキさんは江藤のよき相棒です。お互いにできないこと、かけているところはあるけれど、補い合うとかいうのを超えて、なんとなく心地いい感じで共に運営をしています。
マキさんとオーガニックラーニング
今日は、「しあわせのレシピ」で登壇してもらいました。かつては小学校で家庭科や英語を教えていた彼女ですが、仕事にいったん区切りをつけ、東京学芸大学の大学院に入学。そのタイミングで、オーガニックラーニング の運営にお誘いしたのです。ちなみに彼女との出会いは6年前私立小学校連合の年に一回の大会でした。チャーミングで前のめりな彼女と仲良しに。不思議なもので、今や彼女なしの日は寂しく感じるほど大きな存在になりました!
自己効力感を育てる大学の授業
テーマは。「英語苦手な学生のハートに火をつける授業、お見せします」です。その考え方の根底にあるのはIB教育。特に、この学習者像の考え方が好きなのだそうです。グループワークでは、「『英語なんて(国語なんて、数学なんて)やってもどうせできないし』と彼らに思わせたものは何だろう?」をテーマに話し合いました。
そもそも、英語学習に対して苦痛と感じる学生が多い大学で、どのような手立てが取られているでしょうか?ただレベルを落としたり、単位を取らせないと脅すことでは本末転倒です。
そこでマキさんは考えた。「英語学習に対して自信を回復させることが手立てではないか?」隠し味は、学びのメタ認知と、心理的安全性の確保です。
評価を工夫することの大切さ
学生の自己効力感が低い理由の一つとして、今まで文字ベースの知識・技能だけで評価され続けてきたことがあります。例えば、この絵で見るように、いろんな動物に対して「評価は木登り」では本来の力は図れませんね。
ところで、文科省が言っている評価には、それ以外に思考・判断・表現、そして学びに向かう力・人間性があります。マキさんはその3本柱を評価する上で、ルーブリックを学生と共有しました。
そうすることで、学生が見通しを持って学ぶことができるようになると考えたのです。振り返りでも、学生は自分の学びを客観的にプラス評価していました。しかも、具体的に何ができるようになったかを記述し、改善点と今後の意気込みまで書いています。学期の最初に英語への苦手意識をあらわにしていた人たちとは思えません。
わさびの実践で見えたこと
友人のわさびのコンテナ栽培技術を開発された方からの依頼で、学生と一緒に英語を通してマーケティングを考えたプロジェクトベース授業でした。学生に与えたミッションは「株式会社NEXTAGEの強みを見極め、北米進出に向けた1分間のPR動画を作成せよ。」です。
学習活動をまとめてみるとこんな感じ。豊富ですねー!
実際の動画を見せてもらったのですが、これがもう面白すぎる。そもそも農業が専門なのもあるし、ICTの活用もただ面白いだけではない深イイ内容。
さらに、後期には形式もテーマも学生に投げてみたそうです。すると学生の取り組みがさらに前のめりに!
お見せできないのが残念ですが、どんどん進化して、最終的にはアバターや音声読み上げアプリを使って本人は立っているだけという人まで現れました。それまで苦手で人前に立って話したくなかった人ですが、そのプレゼンを大絶賛されて満更でもなかったようです。
ある意味、Day 1のマーク先生の「本作り」にも通じるものがある気がします。
学生に変化の要因を問うたところ、こんな結果になったそうです。面白い〜!
ディスカッションより
最後のグループディスカッションでは、「あなたは、授業を通してどんな人を育てたいですか?」がテーマでした。
学生にも自分がどんな学習者像に近付きたいかを聞いたところ、クラスによっても特性は全然違ったとか。そもそも教師が「こういう生徒を育てたい」ということ自体おこがましいのかも?>>>さらにもやる結果に!
さいごに
3週間にわたり続けてきて、さらに議論が深まってきました。「言語運用能力だけじゃない、人間を育てる」とマキさんが最後におっしゃっておられたのが心に残りました。
来週で終わりですが、そこでさらにみなさんのアウトプットを促せたらいいなあ。
マキさんのブログもよろしく!
オーガニックラーニングでは年間を通して様々な講座やワークショップをしています。いつかお会いできるのを楽しみにしています。
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