#4「住んでみて分かった貢献の重要性」週刊連載「メタバースとコミュニティ」
週刊連載「メタバースとコミュニティ」
と題しまして書き進めているシリーズです!
これまでの記事は以下のマガジンから読むことができます。
第二章メタバースコミュニティを立ち上げるということ
住んでみて分かった貢献の重要性
コミュニティに住まう経験をして学んだことがあります。
与えられるためには、まず与えないといけないということです。
前回の記事で書いたように、自由にアイデアを出したり、イベントや活動の会場として活用できるクリエイターズマンションというコミュニティと出会い、自分もなにか行動したいと思うようになりました。
同じように、今後この世界で何かを与えられたいと思うのであれば
自分もなにか貢献しなければいけないなと感じました。
自分にできることを模索する(2023年1月)
では、私にできる貢献はなんだろう?と考えてみた。
当時メタバースの世界ではお金を稼ぐというアクションがあまり好意的には見られない空気がありました。
これにも様々な要因があるのですが、一時のバズワード化で過度な期待がかかり、あまりメタバースに詳しくない人をダマすような形でお金儲けをしようとした方が参入してきたり、住人のみなさんが不安になったりする出来事が色々起きていた時期だからだと思います。
でも、プラットフォームというものは売り上げが出なければサービスが終了してしまいます。
自分もなにか貢献したいと思うようになる(2022年12月)で書いたように、私はVTuberとして活動しはじめた当初これを知らず、突然のサ終に打ちひしがれた経験があります。
そうだ!この体験談と共に「お金を稼ぐのは悪い事じゃない」と伝えよう!
稼ぎたかった人も居るはずだ!サ終の時に後悔したくない人も居るはずだ!
そういう人のために今まで自分が専業VTuberとして培ってきた小商いの知見をシェアしよう!
メタバースコミュニティを立ち上げる(2023年2月)
まず最初に挑戦したのはメタバースプラットフォームclusterを利用している人の中でお金を稼ぎたい人のために自分の知見をシェアするコミュニティ作りでした。
ディスコードというサービスを使ってハンドルネールのまま連絡がとれるようにしました。
初心者さんにclusterの使い方を教えるのが目的ではなく、すでに活用している方に「小商い」のコツをシェアする場所にしたかったので、参加条件はclusterでイベントを主催、またはワールド制作やアイテム販売をしたことがある方に限定しました。
なぜこの企画をclusterでやったかというと、自分が初めてコミュニティに住むという体験をした場所であったことと、クラスター社が目指していたクリエイターエコノミーという方向性が自分の考えと一致したからです。
Twitterで告知をして参加者を募集しました。
その前から約半年ほどclusterでさまざまな有志のイベントに参加していたので、そこで関わった方や存在を知ってくださっていた方が続々と参加してくださいました。
参加してくれた人の目的は様々でしたが、大好きなclusterにサービス終了してほしくないから自分達もなにか売上に貢献したいという空気がありました。
そのため、小商いについて考えながら
どうやったらclusterが盛り上がっていくかについてもよく語り合いました。
みんなでイベントを開催してみる(2023年3~4月)
様々な小商いのコツをシェアしつつ、私も皆さんからワールド制作のことやイベントについて教えてもらいました。
コミュニティ参加者に向けたトークイベントをメタバース空間でひらき
なぜこのコミュニティを立ち上げたのかを語ったり、みなさんのやりたい事を聞いたりしました。
ディスコードは主に文字と声でコミュニケーションを取るのですが
メタバース空間ではさらに距離や視線、身振り手振りも使ってお互いの興味や意識を読み解いていきます。
情報量が多いので、一度メタバース空間で会うと一気に色んなことが動きました。
そこで出たアイデアを形にするべく、みんなで協力してイベントを開催することになり、コミュニティ参加者の中からさらに有志で実行チームを結成しました。
当時はまだイベントが少なかったので clusterのイベント機能を利用し、公開
で打ち合わせや作戦会議をする事で新しい仲間を増やしたり、参加メンバーに情報共有ができました。
やってみて見つかる課題と進化スピードの狭間で深まる絆(2023年7月)
イベントには沢山の方が来場し、ひとまず無事に終了しました。
しかし改善点も沢山見つかりました。
さらにメタバースの世界は日進月歩で、毎週のようにアップデートがあります。
新機能が実装されるたびに「これは、こうやったら小商いに繋がるのでは?!」というアイデアが湧いてきました。
それらを実現するべく、夏にも同じコミュニティでイベントを開催しました。
全く同じメンバーではなく、新しい参加者も増えて規模も倍以上になりました。
春の企画では「全体の事がわかって良かった」と好評だったイベント形式での会議ですが、この夏にはclusterでのイベント数も増えて会議イベント自体が発見しずらくなり、ただ場を開くだけでは上手く情報共有ができなくなっていました。
このように、メタバースを取り巻く環境は日々変わるので
「こうすれば絶対上手くいく」というマニュアルを作るのはかなり難しいと感じました。
ただ、そのような困難な状況でこそ仲間との絆が深まったように思います。
コミュニティ作りという点においては、逆境は必ずしも悪いものではないと感じました。
そもそも、メタバースというもの自体がまだ人口が少なく困難も多い状況です。
非常時は自然と人と人が助け合える空気があるように感じているのですが、メタバースでも同じものを体感することがしばしばあります。
なんでもお金で解決せずにお互い様の精神で助け合う文化はまさにそういう
メタバースでの日々のままならなさから来ているのかもしれません。
このコミュニティでは小商いのアイデアと共に「どうやったらclusterが盛り上がるか」ということを見つめつづけ、様々な企画を進行してきました。
そのなかでも、過去に投稿されたワールドを紹介することで休眠ユーザーさんの復帰を目指した「でぃぐでぃぐでぃぐらん」という企画は
cluster公式の記事で紹介されるまでになりました。
振り返れば、私が生きているVTuberという文化も始まった当初は企業や登録者数関係なくコラボする空気がありました。
これも人口が少ないゆえの協力体制だったような気がします。
ということは、メタバースの人口が増えた場合には・・・?
うーん、あまり考えたくない未来が待っていそうです。
数字や立場ではっきりと分かれてしまって新規の参入が難しくなりすぎないために・・・実はこの頃ほぼ同時進行で別のコミュニティも作っていました。
次回は数字や立場に左右されないための居場所づくりの実践について書いていきたいと思います!
筆者 由宇霧(ゆうぎり)プロフィール
世界で初めて性教育の本を出版した特化型VTuber♨️
メタバースで居場所作りの探求中。
雑誌連載中「出張版 #特化Vの会 」(VTuberスタイル)
メタバースイベントコミュニティ CLUSTARS運営
Virtual ASOVIVA TV -ビバテレ-プロデューサー
取材や講演会のご依頼は yugiri.staff@gmail.comまでご連絡ください。