シェア
弓削保
2017年1月13日 20:23
人口の光溢れる人工物の谷間。そこはあらゆるモノが住まい、その底には澱のようにを泳げぬ有機物が漂っていた。 その中を、目的地も感情もなく漂う、ひとつの存在がある。いや、存在といえるだけのものが逸れにあるだろうか。姿かたちはヒトのそれをしていようと、その中身に含まれる澱は腐敗臭を放って処分に困る形をしていた。 それの名は、京谷という。昼間は三十に片足を突っ込みはじめたなんということもないサラリー