近代の軍事学書
皆さまこんばんは、弓削彼方です。
今回は趣向を変えて、皆さまの時代に近い、近代の軍事学書のお話です。
分かりやすい説明が必要な方は、動画の方をご覧ください。
前に説明した通り、兵法書には軍事と政治に関する事の両方が書かれていますが、皆さまに近い近代になりますと、軍事と政治は専門性が高まって、それぞれが別の学問になりました。
そして皆さまの世界で軍事に関する事を学ぶとなれば、軍事学書を読むのが一番となったようです。
今回は、有名な軍事学書を三冊ご紹介します。
■戦争論
近代軍事学書の中では一番有名だと思います。
これはクラウゼヴィッツと言う、プロイセン王国の軍人が200年ほど前に書いた書物です。
そもそも戦争とは何か?と言うテーマから始まり、攻撃・防御・行軍・野営、そして戦争計画についてまで幅広く述べられています。
非常にページ数が多い本なので、気軽にお勧めできないのが残念な所です。
■君主論
こちらはマキャヴェッリと言う人物が書いた書物で、500年ほど前に書かれたものです。
この時代は、まだギリギリ政治と軍事が君主一人の手に収まっていた時期なので、君主とはこうあるべきと言う話の中に、軍事に関する話も一緒に記載されていました。
特に軍事に関しては、当時主流だった傭兵に頼らず、自国民の職業軍事による軍隊の重要性を説いています。
■作戦要務令
これは皆さまに一番近い軍事学書だと思います。
皆さまの一世代前の軍隊である、帝国陸軍が使っていた戦術書です。
命令の出し方、伝令、通信、攻撃、防御など、実戦的な内容が詰め込まれています。
当時の下級・中級指揮官が実際に読んだ教範で、帝国陸軍の戦い方が全て詰まっていました。
今回ご紹介したのは三冊だけですが、軍事学の書物は非常に沢山あります。
軍事学書と兵法書は内容に少し違いがありますが、それでも戦争と言うものを理解するための手助けになってくれるものです。
もしかしたら皆さまは、兵法書よりも、具体的な戦争のやり方について書かれた軍事学書の方が学びやすいかもしれません。
今回のお話はここまでです。
それではまた、次回の講義でお会い致しましょう。
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