![見出し画像](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/97297924/rectangle_large_type_2_f4010189dbbe7065f5caf3296870b3c1.png?width=1200)
62:サンディーちゃんの日曜色
森の奥深く
あなたが知っている
あるいは知らない場所にある色屋の話。
「サンディー!今日は天気がいいから
船のデッキで遊びましょう!」
人形を持った女の子が船の甲板に現れ,
美しい金髪の髪をすきだした。
「私の大事なサンディー,今日も綺麗な髪ね。
すっかり綺麗になったら,後で私と
お茶会をしましょうね」
そう言うと木箱の上に人形…サンディーを乗せ,
人形用のティーセットをセッティングし、
おままごとを始めた。
またある日は,同じヤシの木下で砂遊びの横に
チョコンと座らせてもらい,砂の山を
女王のように優雅に歩いたりもした。
少女が初めて学校へ行く日は,
泣く泣く机の上で待っててもらい,
1日あったことを全部サンディーに告白した。
いく日も行く日も,どこへ行く時も
何をする時もサンディーは少女と一緒。
やがて少女は大人になり生涯共にする人に出会い
家族が増え,賑やかに生活するようになった。
少女だった子が,サンディーをおままごとなどの
遊びに誘う事は無くなってしまったが,
サンディーは金髪を美しくなびかせ,
窓辺の専用の椅子に座り,微笑んでいた。
サンディーの目には何が映っていたのでしょう?
あの時船の上で見た青空か,
ヤシの木下で見た遠く高く広がる青空か,
来る日も来る日も遊んだあの原っぱの色か…
その答えは色屋に行けばわかります。
すっかり毎日が日曜になってしまっている
サンディーですが,彼女の目は
今でも澄んだ青色を映していると言うことが…
![](https://assets.st-note.com/img/1675579152924-tqIN3BXbx9.jpg?width=1200)