畑日誌 : 早くも立ち往生
手付かずの農地を使用するならともかく、
以前家として使われていた土地で自然栽培するのは大変。
早くも立ち往生してます。
来年の出荷は無理だなぁ…。
そうすると収入は無し…。
税金や年金、保険の請求は来るし…。
そんな、
自然栽培とは関係のない、社会(狭い意味での)適応するための思考が渦巻く。
わ〜お。
こうして自分を縛って苦しくなるんだなぁと、苦笑いしてしまう。
自然栽培自体も立ち往生。
一昨年、
無農薬、無肥料で耕した所の雑草が、虫に食われまくっている。
アレ?アレ?アレ?
何で、草でさえ虫に食われてるのかわからない。
でもね。
今橋さんが言っていた。
「畑の毒が無くなれば、虫は来ない。」
って。
元は宅地で、30年程、無農薬•無肥料だけど、色んな生活の化学物質がそのまま残っていたのかもしれない。あるnoterさんが、
「人の気はとても重い。」
と言っていたのも思い出した。
その重い気は、微生物を妨げてしまうのかもしれない。
今橋さんはやって来た虫とも話す。
「来てくれてありがとう。でもね、人間が食べる分も残してね。」
と。
そうすると本当に虫たちはどこかへ行ってしまうらしい。
今橋さんの圃場は本当に野菜たちが元気に育っている。
「どうしたら、こんな風に自然栽培が出来るの?」
と、疑問を持つ人に、
「土は完璧なんです。虫さん達は、土の毒素を無くすために来てくれる。害獣も、人間が動物達の場所に入り込んだ。どんな土地でも絶対にこんな土地なんて言ってはいけない。」
と、まるでナウシカの様な事を、本気で話す。
「アスベル!
みんなに言って!
毒水にした水を誰が綺麗にしてくれていると思うの?腐海の森は毒を体に取り込んで結晶にして綺麗にしてくれているのよ。虫たちはその森を守っているの。
虫たちは森を守ってるって。」
ナウシカのセリフが頭の中に蘇る。
上手くいかないからと言って、焦っても仕方ない。
だけど、「焦っても仕方ない」に、全く慣れていない。
期限内にノルマをこなす事が、当たり前の世界から抜け出すには、私自身の時間もかかりそうだ。
そのほかにも、
放置された農業資材に手を焼いていて、全く思い通りに事は進まない。
農業資材のビニール、プラスチック率が高くて、至る所にそれらが積まれたまま捨てられている。酷い所は触るとマイクロプラスチックの粉が飛びまくる。
うちの母にとって畑はゴミ捨て場だった様で、
「あ、いい。畑に捨てるから。」
と、言うのが口癖で、
「畑はゴミ捨て場じゃない。」
と、言い返すのが普通になっている。
プラスチックも、雑草も全部ゴミ。
自然の木や草は、自然浄化能力で土に帰って行くけれど、農薬も農業資材も自然に帰るのには時間がかかる。
…帰るのかな?
自然と共存出来なそうと思うのは、
夏でも氷の様にとっても冷たいから。
ビニールやプラスチックの下には、草が生えない代わりに、害虫が湧いている。
『害虫』と、呼んだけれど、それはきっと間違いで、自然と相容れないビニールやプラスチックを共存させようと頑張ってくれていたに違いない。
本当に私はご都合主義の思考回路から、離れるには時間がかかる様だ。
立ち往生していると思ったけれど、立ち往生すべき私の状況なのだな…と、思う。
本当に何も分かってないから。
自然にとって、どんな風にして欲しいかが、分かっていないから、今、教えてくれてるんだろう。
イライラしながら、ノルマをこなす様に触れてほしくないだろうなぁ。
だけど、まだ、優しく触ってあげられない。
私が焦っているだけで、自然はじっと私が自然と共存出来る日が来るのを待っていてくれる気さえする。
そう思うと、そこに、既に愛がある様な気がしてウルウルしてしまう。
自然は、疲れた私を必ず癒してくれる。
「焦らなくていいよ。」
ありがとうね。
ありがとうね。
ありがとうね。
沢山、ありがとう。
まずは。
私の毒を抜かなくちゃ。