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優しい世界を見つけた





この世界は

どんな世界?



あなたには

どんな世界に見えてる?


私には…

泣く事も出来ないくらい
辛く見えたり

天国じゃない?


…って
見えたりしている




「五大疾病って、知ってますか?」

「脳血管疾患 心疾患 がん 糖尿病…? あとぉ…。」

「今はそれに精神疾患が入るんです。
今、残虐なニュースが増えてますが、その裏には精神疾患が隠れてるんです。
精神疾患は増えてるんですよ。」

「最近、精神疾患の子どもが増えてる様に思うんですが…。各学年に、2〜3人、安定剤を飲んでいる子がいるけど、昔はそんな子どもいなかったですよね?」

「昔も、授業聞かないでゴロこしてる子いませんでしたか?」

「私の学年ではいませんでしたけど…。」

「私の頃はいましたよ。だけど、特殊クラスとか区分けもなかったし…。でも、そう言う子でも、大人になったら普通に暮らしているし。
今は、病名をつけてしまうからなんですよね。
あなたはそう言う子だよって。」

「そうかぁ。区分けしないでその輪にいれば、そう言う子も普通。区分けしちゃったんですね。」
それは凄く納得できた。

「あなたはこっちの子って、分けただけなんです。」

「分けなければ、ちょっと変わってる子ってだけで、一緒の輪にいて普通なのに。
こっちの子って分かられた子も、こっちの子で生きてしまう。」

「分けられた子も、自分はこっちの子なんだって枠で生きますよね。
普通って…。
どこのラインが普通かって分かりませんよね。」

「普通って基準で考えてたら、普通のラインにいる人なんかいなくなっちゃう。なんかしら変わってますもん。」
私は馬鹿馬鹿しくて笑ってしまった。
勝手に決められたラインで生きてくなんて。
それも人間が勝手に決めたラインをあっちこっちに引いて。
そんな時、人間は愚かだなぁと思えてしまう。
「今の時代、普通を何で図るかって、お金を稼げたら普通ですね。」
ひねくれた、世間に対する嫌味を口にしてしまった。

「だからね。
私たちは、こっちで一緒に暮らしましょうって、引っ張って行きたいんです。
誰か引っ張ってくれたら、こっち側に来られる人は沢山いるんです。
家にこもって、閉塞される。そこに風穴を開けて風を通したいんです。」

そんな手助けが出来たらどんなに幸せだろう。
本当に人を笑顔に出来る手助け…。
「手助け出来る」とは、本当に幸せな事だと思う。
それ以上の幸せってあるだろうか?
「手助け出来る」は神様から与えられたプレゼントだ。
なぜ「手助け出来る」を幸せと思うのだろう?
それには、手助けされる側が必要で、その2つが合わさる事で対消滅し、ゼロに出来るからだろう。
全てがゼロになった時、争いは無くなるのではないかと思う。
しかし、ゼロを安定させるには、手助けするものと、されるものは同量を維持する必要があるのかもしれない。


 ………

「ここに入られた、27歳の看護師の方が、病院は流れ作業みたいで嫌だって言ってました。訪問看護に来られる方は、誰かの役に立ちたいって方が多いみたいです。」

それは凄くよく分かる。
もう、病院は昔の病院ではない。
厚生省の基準が大幅に変更になり、仕事は流れ作業で心がない。
医療費の逼迫と言えばそれまでなのだが…。
心ある人達は、病院を辞め、訪問看護に流れているのだろう…。
「そう言えば、訪問看護だと、やってあげましょうよ…って人が多かった気がします。この人〜って、思う方っていなかったかも…。」

「そうなんです。今まで見て来て、誰かの役に立ちたいって人が集まってる気がします。」

確かに、慈善事業ではないから、お金の臭いがしないわけじゃない。
でも、そんな世界の中に、粘膜が少しずつ集まる様に沈殿し、優しい世界が、出来上がりつつあるようで、ウルウルしてしまう。
その粘膜が傷を塞ぎ、再生に繋がって行く気がした。
傷を塞ぐ粘膜の様な人達が、世界にはいるんだよ。
…凄くない?

誰かの手が、誰かの手を繋ぎ止める。
そんな風に人は生きて行くんじゃないのかな…。

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