消えた体 残る意識…とあるお話し
スーパーのレジみたいな所で、映画のチケットを買った。
支払いはPayPay。
すると店員さんは凄くイライラして、映画のチケットを裁断から始めた。
分厚い紙の束をザクッザクッと、縦に裁断したり、横に裁断したり…。
チケットは、5センチくらいの束が二つ並んで、チケットの束を布のエコバッグに入れ、もう一つの束を掴もうとしたら、
「そっちは違います。」
と言われた。
店を出ると、カエルとナメコとなんかが入った小さな水槽を抱えた男の人が足早に横切ろうとしていた。
私には気付いていない。
両生類の水っぽい肌をして、人間に見えるけど宇宙人だ…。
声をかけちゃいけない、そう思ったのに、
「こんにちは」
と、声をかけていた。
両生類なのに、ギョっとした目で凝視してきた。
体が固まって、逃げたかったけど逃げられずにいると、氷よりももっと冷たい手を顎の下のに当てた。
冷たくてビックリしたのに、声も出ないし身動きも出来ない。目を逸らしたいのに目も逸らせない。
「きっと記憶を抜き取る気だ」と思って、
「💩 💩 山盛り💩
💩 💩 山盛り💩…」
と繰り返し、頭の中の画像は💩にした。
その後、宇宙人はなんか言って、日本語かい‼︎…と、思ったがなんと言ったのか思い出せない。
※ ※ ※ ※ ※ ※
古い病院の待合室みたいだった。ガラス張りの窓からは青空が大きく見えた。
ちょっと高台にあるらしい。
合皮のソファに座った宇宙人が、
「人間にゲノムって言うとアレルギー反応を起こすから言っちゃいけない。人間はゲノムの国から来たからな。」
と、もう一人の宇宙人に行った。
うーん。確かにゲノムの国かもね…と、思ったら、私の体はどこにもなかった。