一度味わってしまうと戻れない味
子育てとは不思議なものですね。
一度味わうと、もう元の自分には戻れなくなってしまう旨味みたいなものが出てきます。
一人でカフェでお茶をする。
一人でセールの買い物をする。
自分のために当たり前にやっていたことが、幸せではなくなった事に気がついて、愕然としました。
息子のお菓子を選んでいる方がよほど幸せ。
息子のお弁当の食材を買い物している方がよほど幸せ。
こんな自分になるなんて、子育てをする前には考えもしなかったです。
幸せの価値観なんて変わらないと思っていましたが、案外簡単に覆ってしまったようです。
子どもは宝物だと言うけれども、宝物を手に入れると、それ以外のものが霞んで見えるものなのですね。
自分のために何かをする事が、価値あることではなくなって、いつの間にか母親という生き物になっていました。
2023年 1月。
10年前の自分とは別人になってしまいましたね。
子育ての旨味を知った今、あの頃の幸せはもはや、味気ないものに変わってしまいました。
経験は人の価値観を変えて、大人から老人へ向かう準備を始めているようです。
身体も思考も衰えていく中で、価値観を変えることで毎日普通に生きていけるようになっているのでしょうね。
2023年、少しだけアホになりました。
面白おかしく生きるためにはアホになる必要性を感じたもので。
アホでいることはどこか悪いことだと思って40年間生きてきましたが、アホでいることはある意味、無敵であると悟った次第です。
恥しいとか馬鹿にされるとか、賢い人は思うでしょう。そして、臆病になり生き苦しくなり死にたくなったりします。
でも、アホでいれば気が楽です。
変な期待もプレッシャーも自分にかけなくても良いのですから。
アホでいれば、やらかすことなど怖くないのです。
子どもの頃にかけられた、きちんとしなければいけない呪縛から、少しだけ解放されたようです。
こんな呪縛をかけた母親を少しだけ恨みます。
私は息子にいい加減を教えます。
失敗してやらかして、笑うことを教えます。
2023年、少しだけ肩の力が抜けました。