「正しさ」で人を傷つけないように
正しいことを言う人がいる。
自分は当事者ではないからこそ言える正しさで、人を傷つける人がいる。
その不安定な情熱と不確かな正しさが人を追いやることに気づかずに、まっすぐな目で人を傷つける人がいる。
そして、その正しさを前に何も言えることはなく、ただ順を追って説明すればよいことでさえその圧力により混乱し、喉がつまる人がいる。
わずかに息があったはずの声にならない声も、音になる手前で正しさにかき消され、いつしか力を失い痛みとなって喉に張りつく。
確かにある思いを、考えを、背景を、声にできる人と、声にできない人がいる。
だからこそ、声にできる人は、ほんの少しだけでいい。その正しさはそのままで構わないから、少しだけ控えめに表現できるといい。
声にできない人は、ほんの少しだけでいい。その心のやわらかさはそのままで構わないから、その思いを文字にして書けたらいい。
そして、すべてのものごとや在り方は変わっていく。
これまではできなかったことができるようになったり、かつてできたことができなくなったりしていく。
そのことをいつか思い出せたら、今目の前にいるあの人も、今ここにいる自分自身も、ほんの少しだけ許せるかもしれない。
本当のことが誰にも知られずに終わったとしても、それでいいと思えるのかもしれない。
ありがとうございます!