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大学生が旅とは何かを本気で考えた。1


ある女子大学生が、ゲストハウスに憧れてアルバイトをしました。

バックパッカーに憧れて、ひとり旅をしました。

旅とは何か、経験浅くぺらぺらの頭を使って、でも本気で考えました。

その記録です。






第 0 節.放課後の空港行き特急列車

今振り返ってみると、高校時代はなんだか煮え切らない毎日を送っていたように思う。本当は海外に長く行ってみたかった。アメリカの大学に入学したいだの、高校にいるうちに一年間留学したいだの言っていた。だけど高校の途中で留学に行く勇気はなかったから行かなかった。

卒業後の進路も大阪の大学に進学することに決めた。いきなりやっていく
英語力もなかったし、反対する親を説得する理由も気力も無かったから。
なんでそんなに海外に行きたかったのかっていうと、多分逃げたかったんだと思う。

高校生の時、放課後は街中の予備校に通っていたのだけれど、帰りの電車は空港行きに乗ることが多かった。夜の帰り道、それに乗っていると

「あぁこれに最後まで乗っていれば空港に着いて、どこか遠くの外国に行ってしまうこともできるんだよなぁ」

と、毎回思っていた。そのくらい毎日に疲れていた。


学校では全く話さないようなすごく静かな生徒ではなかったけど、周りに合わせることをすごーくストレスに感じていた。学校にいる間に、日本は海外よりはるかにはっきりものを言わない文化っていうことを知って、日本の文化と自分の苦しんでいる性格が重なってすごく嫌になった。日本も、自分
も。そしてもし、外国に行ったらこの自分の性格も少しは良くなるかもしれないと思った。


だから、こんな嫌なことは嫌って言えない毎日から逃げ出して、外国に逃げちゃいたいなあって、思った。

親の影響で小さい頃から外国の旅行番組や写真に触れて育ってきたから、絶対に外国に行ってみたいというキラキラした未来への希望は小学校 6 年生の私は持っていたらしい。
そのキラキラは色あせることなく、さらに輝きを増して私の中に眠っていた。そんな気持ちを持ち続けて高校卒業まで来てしまった。
(まぁ、これは大学卒業までも持ち続けてしまうわけだけど。その話はまたあとで。)


続く



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