「多文化主義の優等生」として世界から注目されるカナダは紋章制度にも多様性を取り入れている。シリーズ『カエデの国の挑戦』では全5回にわたって、カナダを国際社会に決定づけた多文化主義…
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カエデの国の挑戦 第1回「カナダの源流」
2015年、エリザベス2世から組閣の大命を降下されたのは、いまやG7首脳陣の最古株となっているジャスティン・トルドー首相その人であった。当時まだ43歳だったこの若き指導者は、全30人の閣僚を男性15人、女性15人にして世界を驚かせた。
「首相、なぜそのようなことを?」
「なぜかって? もう2015年だからさ!」
時あたかもイギリスでEU離脱論が強まり、アメリカでトランプ旋風が巻き起こっていた「
カエデの国の挑戦 第3回「多文化主義」
時あたかもイギリスでEU離脱論が強まり、アメリカでトランプ旋風が巻き起こっていた「ポスト・真実」の時代、若き指導者、ジャスティン・トルドー首相の下、リベラルな政治を志したカナダは世界の中で一際輝いていたことであろう。しかし一方で、カナダには国王を頂点とする「白人が中心の君主国」という封建的な顔があることも忘れてはならない。
封建制と多文化主義という対極の価値観が国家の土台に共存する世界に類を見な