4月歌会結果報告
ちょっと遅くなりましたが、4月歌会の報告です。
もともと4/25対面歌会の予定でしたが、福岡もコロナ感染者急増でネット歌会に切り替えました。
ネットでも16名という高い参加率で、今回も混戦となりました。
結果は1席2名、2席1名、そして3席はなんと3名ということに。
それぞれに全く違った作品で選ぶのも大変でした。
1席の2首は、例のごとく稲本さんが写真を合わせてくれました。
今回も稲本カラー、美しい!
安部さんの歌……「あなた」は特定の人ではなく詩歌のことだそうです。
言葉そのものが持つ意味に頼ってはいないか。不純物が功を奏することもあるかもしれないけれど、自分の思いの表現が純度を増せばどんなに良いだろうと思って作った歌だそうです。
島さんの歌……この季節になると麦の歌をよく作られる作者。
風に揺れる青い麦の禾を見て、今から育つ青年の様でやがて成人になり、黄金のうねりになっていくのではないかと想像したそう。
五行の中で青い麦から黄金色への変化を詠うことで時間の経過を表し、最後に叙景から心理描写にまでもっていったところが凄いですね。しかも読んでいて気持ちがいい!
2席、3席もどうぞ。
個人的には3席の南野さんの歌に惹かれました。
「あおじろい」のひらがな表記もさることながら、「君」の纏うのは霧で、その霧の中を無音で流れる川があるという。非常に重層的で神秘的な世界に誘われます。音のしない川など実際はありはしないけれど、この世界観にやられました。
皆さんはお好きな歌がありましたか?
他の歌も本当によくて、全部紹介できないのが残念です。
たとえネットになったとしても、わりと盛り上がれる九州歌会なので、歌会そのものについてはさほど心配はしていません。
それにしても、コロナは早く収まってくれませんかね……。