1月歌会報告
今月はまたネット歌会に戻ってしまいました。
が、他の歌会と開催日が重なっていたメンバーや遠方のメンバーなどにとっては、逆に都合が良かったかもしれません。
さて、今月は15首集まりました。
どういうわけだか、なんとなく漢字が多かったり文字数の多い歌が集まった傾向にあります。
内容的にも、少し重めのものの比率が高かったかも……知らず知らず、なにか心理的に影響を受けているのでしょうか、世相に。
では早速今月の1席歌を稲本さんの画像に乗せて。
私は滅多に3点は入れないのですが、珍しく3点献上しました。
もちろん黄色くて酸っぱい檸檬をそのまま絵に描いたり詩に書いたりした優れた作品もたくさんあります。
でもこの歌読んだ時、最後の言い切りのせいか妙に納得してしまいました。
そういう「常識や型に嵌らない柔らかな感性」みたいなものは創作には絶対必要だと普段から思っているので、そのことを端的に表してくれた気もして。
「なれない」のは、作者自身のことを言っているようにも、一般論のようにもとれますが、痛いところを突かれたような感じでした。
では2席と3席を。
さすがに3席までの歌、と唸りたくなりますね。
私もこれら全ての歌に点入れていました。
特に2席の甲斐原さんの歌は3点入れたくて配点で最後まで悩みました。
4行目までの少し切ないような、凛としたような「老い」の境地はもちろん、色々と読み手に考えさせてくれる5行目も良いですね。
南野さん作、こちらも思い切り読み手に解釈を委ねてくれている歌。
いつもながら、この方の表現力には参りました!となります。
「感情表出」と「感情認識」に苦手感があるという作者、昔の自分の感情と向き合うことができるようになってきたかも……とのことです。
3席の彦龍さんの歌、自分の親とダブりとてもリアリティをもって迫ってきました。ひらがなとカタカナを反転させることによる効果が抜群。動揺が伝わります。
でもそれだけでなく、「一見冷静に詠んでいるが、こういう情愛の表現もあることに気づかされる」というコメントもありました、たしかに!
今月も学びの多いネット歌会でした。
沢山の素晴らしい歌に出会えたことに感謝です。