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美術館日記[38]対決 巨匠たちの日本美術2008.7
*この記事は過去に行った展覧会の感想をnoteにまとめ直しているものです。
現在行われている展覧会ではありません。
基本的に当時のものをそのまま書いています。
もはや登場する作品はおろか展覧会自体の記憶があやふやなものもあります…
太字のものは過去の私への現在の私からのコメントのようなものです。
運慶 vs 快慶、雪舟 vs 雪村、永徳 vs 等伯、光悦 vs 長次郎、宗達 vs 光琳、仁清 vs 乾山、円空 vs 木喰、大雅 vs 蕪村、若冲 vs 蕭白、応挙 vs 蘆雪、歌麿 vs 写楽、鉄斎 vs 大観
まじでまじでまじでスーパースターそろい踏みじゃないですか????!!!
よくこんな企画したな!という展示でした。
各巨匠ごとに異なった声優の方が解説を担当していて音声ガイダンスも豪華。
聞いていると「はっ。次元(ルパン)の声の人が宗達の解説をっ!」などとなって目の前の素晴らしい作品も見なきゃいけないし、でも解説も聞きたいしで耳も目も忙しかった。
対決…と言われると快慶の飛び蹴り!とか。
応挙のエルボー!とか。
そんなのはなかったけど。
運慶と快慶なら運慶派。エリート永徳とがんばった等伯。
脳内対決はなかなか勝敗が決まらず。
快慶も好きだし。
それもそのはずで作品たちが素晴らしすぎる。
勝敗など決めなくても2人の関係性を知ること、そしてそこから類似点、作風の違いを見つけて楽しむだけでも普段より数倍楽しめた。
圧巻だったのは横山大観の「雲中富士図屏風」。
雲の中から姿を見せている富士山はとても力強く、展示の大トリを飾るのにふさわしい作品だった。
12世紀の運慶たちを経て、木喰たちのような少し面白みもある仏を作る人が出てくるという流れや、同じ17世紀でも光悦の作る碗と仁清の作りだす壺はこうも違うのかと、あらかじめ提示された枠を飛び越えて「対決」させてみるのも面白かった。(本来なら対決相手は光悦は長次郎、仁清は乾山)
しばらくはこの「対決」鑑賞法はまりそう。
山口晃が描く24名の巨匠ガシャポンもあった。
私にとってこの展示は真面目なイメージの日本美術をエンタメ化したものを初めて見たものだったと思います。
実際ここから「かわいい日本美術」とか「こわい日本美術」的なおもしろを紹介する内容のものがどんどん増えていったような。