それぞれの時(2018.3.7)

不登校にある中学生が学校に復帰することを目指す…

それは本人が心から望み、
心理・医療の観点からも問題ない場合に限ると思います。

「適応指導教室」なんていう言葉もそうですが、
”中学校に通うことが人として必須”
みたいな考え方には全面的に反対したいです。

人それぞれ。通える子もいれば合わない子もいる。
繰り返しますが人それぞれなんですよ。

でも、そうでない子が不利益を被らないよう
配慮することは必要、
精神的苦痛なく他の選択肢に進むことが出来ることが肝要です。

大切なのは「学ぶこと」で、中学校に通うことではありません。
中学校やクラスの選択は自由ではない上、
学校というシステム自体に多様性や受容の思想が欠落している。
そりゃ合わない人は合いませんよ。

人にはそれぞれの時間というものがあると思います。

ウチのメンバーでも11歳から18まで家にいて
中学校には全く通わなかった人がいます。
18から高校1年生として自分のペースで学び、
21歳で医療系専門学校に入学、2年間首席です。
その人を特殊能力の持ち主とは思いません。
自分のペースで正当な努力をした結果だと思います。

昨日もその人が卒業式を手伝ってくれましたが、
人として尊敬できる人物だといつも思います。

ウチでの3年間でこちらが提供したのは、
邪魔をしないということだけです。

どんな人がいるか、
その人たちがその場をどんな雰囲気にするか。
なにを提供されるか、なにを押し付けられるか。
いじめや差別が傍目にはなくても、なんとも
嫌な雰囲気のクラスだってある。

そりゃ少数ではありますが、
他人の心の奥に敏感で、心の自由を大切にし、
多様性や受容を重んじる場所を求める生徒はいます。
そのようなひとが失望しない場所を確保すること。
それが私のやるべきことだと思うんです。

そして生徒・保護者のみなさんが持つ
思い込みや不安をいかに解きほぐしていくか。

ひとつだけ言えるのは、
不安を煽るようなものはニセモノである、
ということです。

根拠のある「大丈夫」を伝えたい。

どうか不安に押し流されないでください。
人にはそれぞれの時間と、
それぞれに合う場所があるのです。
誰かの価値観を
あなたがトレースする必要はありません。

中学校復帰が絶対的な価値ではない。
この考えは貫きたいと思います。


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山本卓司(ナラティヴ・ラボ/岐阜開成学院)
少人数の隠れ家的居場所にしたいので、副業しながらなんとか教室を維持しています。サポートいただけたら大変嬉しいです。収入は運営資金として活用いたします。