けしきをかえよう(2017.8.24)

そう簡単にはいかないのよ、の巻

「LINEでのやり取りが心の負担になっている」
→じゃあLINEやめればいいじゃん。

「あの人と関わりたくない」
→縁切ればいいじゃん。

「学校行くのが本当にツライ」
→じゃあ行かなきゃいいじゃん。

いやそうなんだけれども、
そんな簡単に出来たら世話ないし、
心の負担になんかなりません。

呪縛は簡単に捨て去ることが出来ないから
呪縛なんです。
「呪いに縛られる」んですよ。
怖いな怖いなー(稲川風)

その呪いは
他者からのプレッシャーによるものだけでなく、
自分で自分に掛けてたりすることもあるので
厄介なんですよね。

たとえば、高校生で中学の時のLINEグループから
抜けたいのにそれがなかなか出来ない子がいました。

当時から好きでもない人たちに求められるまま
グループに入り、やり取りをイヤでも目にしないと
いけない。
いつもついでみたいな感じで遊びに誘われる。
行きたくないけど断る勇気がなかなか湧かない。
今でも電車や駅で会う可能性がある。
グループから抜けたら何言われるか怖い。
その人たちの目につかないように、
通学経路や時間帯にも気を使う。

…しんどいですね。しんどいしメンドくさい。

「くだらないことで悩むな」なんて大人は
つい言ってしまいがちですが、
狭い世界だけで生きている子供たちにとっては
生きるか死ぬかに匹敵する問題なんです。

大人だってママ友のグループで…とか、
職場の付き合いで…とか、
メンドくさいしがらみありますよね。
その何百倍も重いものがのしかかっている感じ。

自分を苦しめている原因がハッキリ見えているのに
それを取り除くことが出来ない状態。
心を縛られている、これが呪縛です。

だからわたしたちが出来ることは、
時間をかけてゆっくりと
自分の力で呪縛を解くことが出来るように
粘り強く働きかけをしたり、
メンドくさくない世界もあるんだと
分かってもらうことなんだと思います。

頭では分かっているけど出来ない!、から
うーん、いつかやれたらいいなあ、になり
じゃあ…やってみようかな、に至る。
その変化のお手伝いを出来るのがとても嬉しいです。

嫌われたいとは思わないけど
好かれたいとも思わない

これくらいで生きることが出来たらいいですよね。
私もそれを心掛けています。
友人も恋愛も、ガッついて作る関係よりも
自然体で無理なく出来上がるものほど続きます。

うわべだけの薄っぺらい知り合いを10人なのか、
たったひとりの友人なのか。
わたしなら量より質を求めたいです。

ゆっくりと時間をかけて
狭い世界から抜け出す準備を整える。
そのタイミングと方法はみなそれぞれです。
そこをサポートするのがわたしたちの役目です。

さっき書いた生徒も時間かかりましたが、
LINEのアカウント作り直しました。
呪縛を断ち切れたんだなあ、と
嬉しくなりました。

心軽やかになれば見える景色も変わります。
これからももっとたくさんの生徒のお手伝いがしたいです。

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山本卓司(ナラティヴ・ラボ/岐阜開成学院)
少人数の隠れ家的居場所にしたいので、副業しながらなんとか教室を維持しています。サポートいただけたら大変嬉しいです。収入は運営資金として活用いたします。