見出し画像

結婚と地方からの人口流出

※以下、地方のことを記載していますがあくまで一例にすぎずすべてがそうというものではありません。

先日、インスタのストーリーで結婚についての価値観のアンケートを取った。いろんな人がコメントをくれる中で、すごく興味深いコメントがあった。

結婚して地元を出たのは「子供はいつ頃?」とかの出産に対する圧力から逃げるために地元を出た

なるほど
…。
と日本の地方の世代による価値観の相違によって、地元から離れるという人も多いのだと実感した。

結婚に魅力を感じなくなっている現代

6月14日、令和4年版の男女共同参画白書が閣議決定された。
令和4年版の男女共同参画白書は、「令和3年度男女共同参画社会の形成の状況」、「男女共同参画社会の形成の促進に関する施策」という2つの部分から構成され、特集として、「人生100年時代における結婚と家族~家族の姿の変化と課題にどう向き合うか~」がまとめられている。
その中で独身者に対してとったアンケートで、「今後の結婚願望」についてのアンケートがあった。

【今後の結婚願望】
■女性
(20代)
結婚の意志あり:64.6% どちらでもいい:21.3% 結婚の意思なし:14%
(30代)
結婚の意志あり:46.6% どちらでもいい:28.2% 結婚の意思なし:25.4%
(40代)
結婚の意志あり:31.7% どちらでもいい:36.7% 結婚の意思なし:31.4%

■男性
(20代)
結婚の意志あり:54.4% どちらでもいい:26.3% 結婚の意思なし:19.3%
(30代)
結婚の意志あり:46.4% どちらでもいい:26.8% 結婚の意思なし:26.5%
(40代)
結婚の意志あり:36% どちらでもいい:33.5% 結婚の意思なし:29.8%

令和4年版男女共同参画白書より

男女の20代・30代ともに結婚の意思ありと答えた人が半数近くはいたものの、その数は年々減少傾向にあるという。
個人的には結婚の本質は『リスク回避・リスク分散』にあると思っている。
時代を遡れば、冷蔵庫も洗濯機もなかった時代。誰かが家のことをして、誰かがお金を稼いでというように、2人で共に暮らしを作っていかなければいけなかった。そうでもしなければ生活がままならなかった。
家電が発達した時代においても本質は変わらないと感じている。
どちらかが病気や怪我を負ったときに、一方が世話をしたり、働いたりする。そうすることで生活におけるリスク回避やリスク分散を行っているのだと感じている。
しかし、現代においては結婚そのものがリスクになってしまったり、魅力を見出せなくなってしまっている。
男女がそれぞれの性別としての役割を背負わされてしまい、自由が奪われることが現代の人にとってのリスクになってしまっている。
これは1人でも生活できるようになったからの価値観でもあるとは思っている。

世代による結婚の価値観の違い

次に、結婚と地方からの人口流出の関係性も見ていきたい。
人口減少による人手不足などとニュースでは報じられているが、僕自身はそのようには感じていない。単純に働きたいと思える仕事が地元にないから・地元では賃金が低いから・仕事を自由に選べるだからといった理由が大きいとは思うが、本質的に結婚というキーワードから逃れるために都心部へ行くという選択をしている人もいるように感じる。

それは自分の親世代やもっと上の世代からの結婚に対する無意識の圧力からの脱出。
上の世代ほど、ある程度の年齢にいけば結婚するのは当たり前。結婚したら、子供を作るのが当たり前。そんな時代だっただろう。
しかし、結婚に対して魅力を感じていない現代からすると、その当たり前という無意識の価値観を押し付けられていることに苦しんでいる人もいるのではないだろうか。
すべての地域がとは思っていないが、地方ほど男尊女卑が根強い。
地方は人が優しくてなどといったことをよく語られるが、それはあくまでもいい部分を切り取っただけで、ただの幻想だ。
男性はこうあるんべき。女性はこうあるべきというのが強いため、地方で暮らしたいと思っていても、周りからの圧力がストレスとなり、都心部へ移動するというものが実際に多いのではないかと感じた。

世代別の価値観の違いがあるとともに、現代の保障制度も時代にあったものでもないと男女共同参画白書を読んで感じた。
『男性が正社員・女性が専業主婦で老後は男性側の年金で暮らす』というのをベースにされた現行の制度。しかしそのベースとなった家族像も減少傾向にある今、保障制度や生き方について再度考えていく必要があると感じる一方、仮に新しく出来ても、結果が出てくるのは数十年後。
多様な価値観があってもいいと許容しつつも、結婚しなくても子供がいてもいいよねとか出産をした家庭や人に対して、国が保障を手厚くするなど、人口減少に歯止めをかける政策を行わないかぎり、日本の国家存亡の危機にもなりかねないと感じてしまった。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?