ますかき亭ほっかむり
僕には芸名がある。
「ますかき亭ほっかむり」
これが僕の芸名である。
ほっかむりの由来は、とても恥ずかしいのであまり大きい声では言いたくないのだが、僕が仮性包茎だからだ。
ときは大複業時代。
本業とは別に仕事を持つ人たちがずいぶん増えた。そうした時代の流れに取り残されるまいと、僕も複業を持とうと思った。そして色々考えた末、落語家になろうと思った次第である。
しかし僕は落語を聞いたことはあるものの、実際にやったことはない。普通に落語をやっても、プロはもちろん、アマチュアでも上手な人はゴマンといる。そもそも何年もの修行を経て、ようやく一人前になる職業だ。どんなに頑張っても、上には上がいる。
差別化を図らなければいけない。ニッチな市場で生き残るのだ。
そうして出てきたアイディアが、エロ落語である。
「寿限無」という落語をご存知だろうか。
あらすじは、子供が生まれた一家の旦那が子供の名付けの参考にしようと、お坊さんに相談をしに行く。そしてお坊さんから順々に出されるアドバイスを全部取り込んでしまい、子供の名前がとても長くなってしまうというお話だ。
落語のオチは、頭をぶつけてコブができた子供に対し、心配した親が長すぎる名前を連呼している間にコブがひっこんでしまうというものだ。
この「寿限無」という演目は落語の初級、初めて高座にあがるときなどにやる演目らしい。
手始めに、寿限無をパロディにした落語ネタを作ろうと思った。
具体的なストーリーは、子供が生まれたとある一家の旦那が豊富な性知識を持った風俗嬢にエロのアドバイスとそれに準じたプレイを次々にしてもらい(もちろん有料オプションだ)、それに感銘を受けてエロ長い名前をつけてしまう。オチは成長した子供が親に名前を呼ばれてちんちんが勃起するというお話だ。
最低のネタだが、仕方ない。最低のネタをやらなければいけないのはニッチな市場で空き缶を拾って生きる、エロ落語家の宿命である。
ネタは既にできていますので、今年は高座にあがろうと思います。皆さまどうぞますかき亭ほっかむりをよろしくお願いいたします。