サメの夏休み
じっとしていても、汗が流れ出るこの季節。かき氷が唯一、活躍する季節。
朝、寝惚け眼をこすりながら身体を無理矢理起こし、外に出ると、太陽の日差しが、今日一日の始まりを告げるように
大地を照らし、思わず、「暑っ」!と声が漏れてしまう。
暑いし熱い。
風も無く、日差しだけがこの世に存在しているかと思うくらい
暑い一日の理想の過ごし方は、各々あるかもしれないが、
私は、海で遊ぶに限る。
基本的に、インドア派なのであまり海で遊ぶというのは得意ではないけれど、
海で過ごすくらいはできる。
天気の良い日は、海にいるだけで、そこにいるだけで心地いい。
本当は、海をバックにバーベキューをして、お腹が満たされた所で、
後はひたすらに波の音を感じながら寝ていたい。が、現実そうもいかない。
一人で行く分には問題ないが、勿論、あの神々しい空間に一人で行く勇気はないので、
お友達と行く。
そうすると、海ならではのボール遊び、水遊びが始まる。
参加しないわけにはいかないので、渋々、参加する。決して参加したくないわけではない。
いざ始まれば楽しいもので、海という場所も相まって、なかなかに夏を感じられる。
そして、海にはバナナボートという恐ろしいものがある。
最近乗る機会がどうしてか増えてきた。海の上をモーターボードに引っ張られながら
バナナの形をしたボートに乗って、落ちるか落ちないのかスリリングな体験ができる
マリンスポーツなのだが、見た目以上のスピード感、浮遊感、遠心力で今にも
海に叩きだされそうで、想像以上に怖い。というか最終的には落ちるのが
醍醐味でライフジャケットを着衣しても泳げない私には恐怖しかない。
それこそ一度、落ちた時に足がつかず前にも進めず海に浮いている状態に絶望感を抱いたのを覚えている。
もう乗りたくないとは思うものの、今日は俺バナナには乗らん、と空気を壊すことは言えないので、最近無理を言ってモーターボードの方に乗るという荒業を編み出した。
運転手さんの後ろに乗って絶対に落ちることなく、優雅に風を感じることができる。
とは言っても、泳げない私には万が一落ちた事を想像するとなかなかに
心から風を感じられていないとも思う。何かの拍子でライフジャケットがとれ
泳げず溺れてとか、ネガティブな思考が止まらない。
こんなネガティブ思考じゃ心から人生楽しめないし、勿体ないのは
分かっている。よーし、明日からポジティブになろう。
でも結局、溺れてとかサメに襲われて死んだとなると、なんの意味もないな。
いや、サメに襲われるなんてジョーズの気分を味わえる。最高かよ。
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