初めて患者様を担当する時の関係づくり

脳外臨床研究会会長　作業療法士　山本秀一朗
セミナーレポート作成　言語聴覚士　yucco

フルリカバリーを目指し、全国のセラピストと共に成長し続ける脳外臨床大学校で活動するyuccoです。

脳外臨床大学校オンラインサロンでは、日々たくさんのセミナーが展開されており、オンラインサロン内だけで留めておくのはもったいない！！
全国の悩んでいるセラピストや困っている患者さんの力になる学びを届けたいと思い、セミナーレポートとともにお届けしています♪

《はじめに》

今回のテーマは、患者様との初回面接の時にどう信頼関係を築いていくかです。
結論からゆうと、リハビリがうまくいくかどうかはこの関係作りによって変化してきます。

セラピストと患者さんの関係性。
セラピストはリハビリテーションを提供します。患者さんからは単位としてお金をいただきます。

リハビリテーションは全人間的復権がテーマです。
身体的、精神的、社会的回復を望んでいます。そのために病院に入院しています。
その関係性の中でリハビリ行為を提供していればいいのか？
それだけが全人間的復権を成し遂げるかというとそうではありません‼︎

患者さんとセラピストの間に最も大事なものは『信頼』です。

患者さんがやる気がないとか言ったことをやってくれないのは、『信頼』がないからです。あなたについていけば大丈夫と思えてないからやらないのです。

《リハビリにおいてどう信頼を獲得するのか？》

人間の９割は始めの１分だと言われています。
この１分にこれから180日間をかけて対応しているか？？

ギブしたことに対してテイクをもらっている仕事です。対価をもらっています。
しっかりとサービス業であるということを理解してください。
先生といわれる仕事なので患者様を上から見下すという形になってしまいます。
そうすると『信頼』ではなくなってしまいます。

一番初めに患者様にあった時にどんな対応をしていますか？
例えば、山本先生に初めて会う時と患者さんに初めて会う時の態度は一緒ですか？

同じように人に会う時に差があってはいけないのです。
患者さんは見抜きます。
患者さんからの拒否ということを通して学ぶ機会を得ることになります💦

どのような挨拶をしてどのような関係性を作るのか？？
患者様に出会った時の対応の仕方！
容姿や姿勢、服装、髪型気をつけてみてください。
挨拶や態度は患者さんに査定してもらっています。

《自己紹介と初回評価》

次に自己紹介をします。
一番初めにリハビリテーションとして提供することは何をするかというと、上から下まで患者さんを見てどこが悪いかという話をしてしまいます。
リハビリテーションをする中で患者さんの病態把握や身体把握は必要ですが、評価や問題点の抽出ばかりをしていると、指摘して悪いことを言ってくる人だと思います。

病院だから仕方ない、病気だから仕方ないと患者さんは思います。
よくしてもらいたいからこそ心の中で気持ちを押し殺しているのです。
家族からしたら『不信感』になってしまいます。

まずは、リハビリテーションとして信頼という関係性を作るときは。人と人としてしっかり関わりを持てるかを大切にしてほしいと思います。

患者様と思った瞬間にどんなイメージがありますか？
悪いところがある。問題点の抽出をしないといけない、目標設定をしないといけない！？
人として自立できるのか？という視点で見てしまいます。
ギブの精神ということは、患者さんが弱者であるという認識がどこかにあるのではないかと思います。

今日歩けなくなりました、次の日からリハビリを頑張れるメンタルを持っていますか？
自分だったら、打ちひしがれるだろうし、落ち込むだろうし、リハビリ頑張れるかって言ったら、その自信はなく難しいけど、それができている患者さんは素晴らしいです。人としてできている人のお手伝いをさせていただいています。
頑張ったのは患者様です。

患者さんの努力をセラピストは手伝わせてもらっています。
頑張ったのは患者さんなのに「ありがとう」と言われるが、「ありがとう」というのはセラピスト側の発言だと思います。

悪いところを治してあげるよって態度で会うのか、人生に関わらせてもらってありがとうって態度で会うのかで全然違います。

リハビリのこと、リスク管理のこと色々学んでいくと思います。
その根本にどんな精神があるかによって、話し方、質問の仕方、目標設定の仕方、患者さんが頑張った時の変化の見方は全て変わってくると思います。

人と人との関わりです。
その患者様は麻痺ではなく、◯◯さんという人です。
自分は偉いんだ、リハビリを提供しているんだという心持ちでいくと良くない関係性ができています。

《人としてみるとは？》