1高次脳機能障害とは?<事故で意識不明~卒業~アートセラピスト~デンマーク留学~国際結婚~妊活*>
目を覚ました時、20歳の幼児からスタートした二度目のわたし。数ヶ月の時間をかけて意識が現実社会に戻ってきていた。友達の名前もいうようになった。わたしに残ったのはそれまで名前も知らなかった後遺症。高次脳機能障害。
最近はドラマの中で出てきたり、当事者で活躍している方もでてきたり、名前が聞くことが多くなったかな。
だけど15年前は、医療関係者でさえ、実際どんなものかわからない。
見えない障害なんて言われて、外見の負傷がなかった場合、障害は検査などでも現れにくかった。
以前と人が変わったようなんだけど、何が違うのか、わからない。
そんな問題に苛まれていた人たちや家族が、医療に取り残されたように大勢いた。
その時まで知らなかったよ。
私たちの現実は、高機能な脳によって、完全な世界を見せてくれてたなんて。
両足を揃えて、腕を回しながら縄跳びを飛ぶ。
片足ずつ前に出しながら階段を一段ずつ降りる。
同時にいくつものことを、同時にこなすこと。
一つ一つ意識しなくたって、当たり前に体が動いていた。
リハビリをしても、外見には現れない障害。先生にさえ、言いたいことが伝わらない。不便なことをつたえたいのに、言いたいことを言葉変換することさえ難しかった。
この時の伝わらない悔しさや虚無感は、この後10年以上も、トラウマとして残りました。
このトラウマがやっと癒えたのが、留学して、結婚して、移住した後。たくさんのことにぶつかって、あらがって、変わった自分を認識して、だけど自分を諦められなくて、一筋の希望を探して、彷徨い歩いてきた。
...新月の吐き出しはここで終わり。
15年間の記録、連載していきます。吐き出すように、綴りたい。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?