いかれたBABY / 歌に寄せる詩

そっか、
それもいいね
何が真理か分からないけど、
いかれたボクの信条は
いちおう頭寒足熱だよ

はてさて
あの角曲がったら、
サバンナの草陰には、
琴座の真ん中には、  
はたして
何があるのかな

ん?
あー、
あった
あった
物理の量子先生の口癖あったよね

『見なけりゃ、ただの波だっぺ。』

昨日茹でた青菜の繊維が硬かった
噛み砕けないやりづらさ
中途半端ペッと吐き出した

週末にはわらび餅とか食べよかな
きな粉増しましぱふぱふしよう
いかれたボクさ 笑ってくれよ

君の田舎はどこだっけ?

富士山が見える
山梨のおばあちゃん家
幼い頃夏休み
行くたび食べた懐かし信玄餅
ぼふぼふ ぼふぼふ
小さい口には、食べづらくて
でも、うれしくて
いとこたちと大笑いしたっけ

え?なになに
へー、
そっかぁ、
君は月餅が好きなのか
確かに餅って、付くけどね
あれはボクのなかじゃ
餅じゃない

そーそー、今日は満月だ

驚いたのはさ、
故事にあるとかの
月の兎の由来

ある時 神様が人に扮して
「養ってちょ」って
猿と狐と兎を試したんだって

んで、渡せる食べ物
なんも探せなかった兎が
『なんならアタイを食べておくんなまし!』
って、火に身を投じたんだって

それを見た神様が
その献身ぶりに感心して
お月さまに
その姿を留めたんだって

なんか、キツくね?
ふつー、兎にそんなんされたら
気まずくねーの?
そんな神様いかれてる
そもそもいちいち試してくる
猜疑心強い神様ってどうなのよ

主従関係ゴリてくる神様は
勘弁したい遠慮したいな
いかれたボクが言うのも
なんなんだけどさ

それとも神様は淋しいから
そうしていないと
いられないのかな

なら、あんましボクと
変わらないかな
変わらないよな

そんならいつか
背負投げし合って
遊んでみたいけど

少しモヤモヤしたら
少しぽくぽく歩く
デクノボーみたいに
賢治君みたいに
電信柱みたいに
時空のスキマ
いかれた君に会いに行く

そーいえば、
また空き地が
コインパーキングになってたよ
ソーラーパネルと駐車場の間に
ボクらはいるんだね

電話口、さっきから
ケラケラ笑う君の勤め先は
富士山見える
静岡の団子屋さん

町が寝静まったら
歩き出したいな

柿田川の公園
湧き水の処から

名のない野原
夜雲の波間 
真空密度
レミ
ファ






















音楽 4分53秒 / フィッシュマンズカバー / 西山小雨

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