こと葉たち myくもりそら/詩




くもり
どんてん
にゅーとらる

光の乱反射も
雨の連弾音も
ない

にびいろ
はいいろ
くもりいろ


白黒つける
よな
竹割り過ぎる
よな
欲気は出さず

ゆったり
どっしり
たゆたう
雲に
身を
あずけ
ゆだねられる
曇り空


大理石
まだら模様
あたたかい
つめたさ
古代神殿にいる
天然パーマの
神さまに似た
灰色
ばかり
着ていた
彼は
今頃
どうして
いるんだろ

こんな日は
いつも
思い出すの


今日も
どこかで

あの

滲むよな
こどくを
ひた隠して
つくり笑い
しているのかな

ちゃんと
つくり笑い
してるかな

大人の苦み
こだわりの焙煎
洗練を極めた
叶えたい
加減で

磨きあげた
得意の
中庸なる
感情で

晴れ間には
見せない
薔薇たちの
色々を
引き立てて

やさしさが
ばれないよう
超絶技巧な
曖昧さで

決して
それと
悟られぬ
老舗的な
表情で

泣きたいの
伏せて

叫びたいの
黙って

奥歯
噛み締めて


くくって


ただの
曇りの
ふりを
して

花々を
香らせて

いるのかな



この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?