メイド・イン・ジャパンの精雲堂の筆をもう一度!アート好きの為に復刻できないか?
こんにちは。福岡でネイルサロン&ネイルスクール講師をしている『ゆび姫』こと高尾慶子です。今日は私が昔から愛用している『精雲堂』の筆について書いていこうと思います。
え?精雲堂が廃業⁉︎
ずいぶん前にネットで検索して知っていたのですが、精雲堂は2021年3月ぐらいに精雲堂さんは廃業したとか・・・↓
精雲堂ファンが募る画材屋さんや模型屋さんがSNS上で廃業をつぶやいていました。私は以前、精雲堂さんの店舗か工場が残ってないかGoogle mapで検索したことがあります。問い合わせをして筆が欲しかったからです。でも、広島県呉市に『精雲堂』と名前だけ残っていましたが、お店や工場の存在はあるかわからず・・・
精雲堂について何かご存知の方がいらしたら情報求む!
こんなふうに私が思っているのは、
アートが好きな方なら、『絶対!精雲堂の筆にまた会いたい。また手にしたい!!』と思っているから。
もしかしたら、アートだけじゃなく書道ファンの方もいたんではないでしょうか?
ずいぶん前から買いだめしていた私・・・
私は福岡在住のため天神、新天町にある画材屋さんでいつも購入していました。⇨復古堂(ふっこどう)
この2階にマニアックな絵の具や筆などが販売されてるのですが、昨日久しぶりにふらりと行ってみました。精雲堂の筆はやはり廃盤になっており現在は品数もかなり少なめになってました。
私は以前、復古堂さんから廃盤になるという情報を聞いていて、その時に買えるだけ面相筆(書道用の小筆:精雲堂さんの)を買い込んでいましたが、その時にはいつも使っていたコリンスキー毛の赤い筆はもう手に入らなかったのです!!
精雲堂(せいうんどう)の筆との出会い
『精雲堂』の筆と出会ったのは20年以上前、私がまだネイリスト下積み時代の頃でした。当時勤めていたネイルサロンの店長さんが私がアート好きだからと自分の使っていた筆を譲ってくれました。とても使いやすく、精雲堂の筆が大好きになりました。
その時の店長さんがくれたのはこのタイプで穂先の方が白いタイプ↓
↑このアメブロにも書かれているように、その当時のネイリストたちはみんな使っていたようです。
もともとはプラモデル用の筆だとか・・・ネイルアートは細かいアートを描くことが多いのでネイリストのファンも多かったようです。自然と口コミで広がったんでしょうね。
しばらくして、ネイルの材料屋さんにも置いてあるようになりました。
私はこの筆先が白いタイプの物(毛質が柔らかいタイプ)とは違う筆先が赤いタイプ(毛質にコシがあるタイプ)を使っていました。
↓
コリンスキー毛といってイタチの毛らしいです・・・
ネイリストはネイルリムーバー(除光液)など強い溶剤を使うので筆質がナイロン性のものはすぐに溶けてしまします。天然のイタチの毛は溶けないという利点もあり好んで使っていました。
10/0とあるのは筆先の大きさや筆先の長さを表してると思います。
当時、サロンワークではアクリル絵の具を使用することが多くこの筆をかなり使いこみ、最後は毛量が3本になるぐらいまで使い倒し、用途に分けて使いこなしていました。
この筆は懐かしい鉛筆を握るような、手にしっくりくる感じで、本当に描きやすいのです。筆の重さ軽さもちょうどよく長時間描いていても疲れにくい。(子供の頃に鉛筆の後ろをガジガジしたりしていたような懐かしい感じの風貌です)
アメブロのネイリストさんみたいに私は100本使ったかは不明ですが、生徒さん達にも勧め、かなり売り上げには貢献したと思いますw
私は筆フェチなのもあり、普段からいろいろと筆を使用しますが、ネイル講師という立場からも生徒さんに1番描きやすい物をおすすめします。
遡ってカメラロールをみてみたらみんな生徒さん達使ってくれてましたっw
↓
特にネイリスト検定試験の3級の5枚花はこの筆だからこのようなパキとしたアートが描けます。基本的なブラシワークを身につけるのには右にでる筆はない程です。
精雲堂さんの廃業した経緯はなんだろう?
私なりに廃業された理由を色々思い当たる節で考察してみました。
資金不足や負あたりとか?
後継者不足か?:きっと伝統的なメイド・イン・ジャパンなりのこだわり製法があったはず。
材料不足か?:イタチ捕獲不足か??
っと、調べていたらこんな記事を見つけてしまった!!
↓
↑これが原因だ!とわかった瞬間。筆の材料になるイタチは中国から輸入していてコロナの影響で中国政府が野生動物の取引を禁止していた。とわかりました。
上の記事にある通り、熊野筆事業協同組合では約10年にわたり、イタチの毛に代わる代用品を研究してきたというが、製品化にはいたっていないそうです。
・・・イタチって国産できないのだろうか?養殖は無理なのか?そもそも動物愛護団体的に毛皮や動物の毛って倫理的にどう考えられているのか?
じゃあ。もう精雲堂の筆を手にすることはできないのか!!!!
イタチは日本では様々な場所で生息しているみたいですが、そのほとんどが野生で、病原菌やアレルギー症状、人間や作物に様々な被害をもたらすことから害獣駆除の対象とされているみたいです。
ここまで調べてみてほぼ絶望してしまった私でした。
日本から本物がなくなっている現状
私は精雲堂に変わるような良い筆がないか探していました。そこにはもう中国産しか残されていませんでした。筆といえば100均で簡単に手に入ります。質は良くありませんが、欲しい時にすぐに手に入ります。ネットで検索してみたら『TEMU』など中国製の商品が手に入りやすい傾向にあった反面、とても悲しく感じました。
本当に質のいい国産を守る制度があれば良いのにって思ってしまったのは私だけでしょうか?
コロナは色んな意味で世界を変えてしまった。本当の職人、本物の技術を持つ人こそ日本は残さないといけないのに絶滅してしまうのは惜しい。
これはなんの業界にも言えることなのではないでしょうか?最近の日本人は目先の売り上げや安いものに飛びつく傾向に変わってしまった。
本物思考の人は国外に進出して行ってるのが事実です。日本で生きにくいと感じてしまう私自身も本物だったらこの先、海外で生きるようになるのでしょうか?
世界から求められる日本らしさとは
本当の日本人の精神を今こそ気づいて残していって欲しいです。本当に見なければいけないことはなんなのでしょう?お金よりももっと大切な人との繋がりや心やあたたかさ。世界から求められる日本人でいたいと考えてしまった。この精雲堂の筆でこんなにも考えさせられてしまった私です。
私は、はじめ精雲堂さんの廃業の理由がわかればクラウドファンディングで支援者を集め微力ながら精雲堂の筆を残せるかもしれない・・・そんな思いでこの文章を書き始めました。しかし、現実はどうでしょう。
私が力になることはできるのか?
精雲堂さんの筆を作る技術をどこかの国に派遣できて、そこでまた精雲堂の筆を作ればいいのでは?こんな時どうすればいいのでしょう。様々な障害や、高いから買わなくなる。こんな風に手に入らなくなってその価値がわかる。こんな悔しいことはないです。私は精雲堂の筆にたくさん助けられました。
20代はじめからネイルアートを描き始め。ネイルアートで世界に行きました。精雲堂の筆は色んな国に私を連れていってくれました。アートの世界は無限大だと教えてくれたんです・・・
いつも私の手に吸い付くように寄り添ってくれた精雲堂の筆。最後の1本は私の宝物です・・・
精雲堂の赤い筆ありがとう!!
私はこの場をかりて精雲堂の筆や生産者の方にお礼を伝えたいです。
『私を自由なアートの世界に連れていってくれてありがとう!!』
今年もスペインの国際ネイルコンテストで審査員をします。そしてバルセロナでアートを教えてきます。精雲堂の筆を欲しい人たちに届けられないけど、魂だけは伝えていきたい。精雲堂の筆でもっとネイルアートの楽しさを。日本の素晴らしさを伝えてきたいと思います。
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高尾 慶子
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