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女性は〇〇を食べてはいけない〜アフリカ最古の王国の男尊女卑文化について【エスワティニ🇸🇿】13/54ヶ国目 | 世界一周ふりかえり
★世界一周13ヶ国目、エスワティニ(旧スワジランド)
★滞在日数:2022年11月16日〜21日(5泊6日)
★かかった金額:¥42,058 /2人
約2ヶ月に渡るアフリカ縦断もラスト1カ国。
最後の国はエスワティニ。
旧名はスワジランドだったが、2018年独立50周年記念式典に国王が突然国名の変更を発表し即日で国名がエスワティニとなった。国民は本意でない人もいるのか、会話していると自分の国を未だに「スワジランド」と呼んでいる人も多かった。
アフリカ最古の王国の一つと言われ、今でも国王の権力は非常に強く、すべての店に国王の写真が貼ってあった。正確に言うと写真の通り3セットの写真がどこにでもあって、一番上が国王ムスワティ3世、2段目が国王の母、3段目が首相(当時)。おそらくこの高さ順で掲示するのが決まりなのだろう。
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エスワティニはアフリカ最貧国の一つであり、街には大きなスーパーがあるくらいでほとんどあとは何もないような景色だったが、そんな中でも国王は一夫多妻の派手な暮らしをしていて、2019年には妻15人のためにロールスロイスなどの高級車15台を購入したそうだ。そのため何度か民主化を求めるデモも起きており、私たちが訪れた前日(2022年11月)にもデモの動きがニュースになっていた。
しかし日常的には実はアフリカ他国と比べると相対的に安全とされているようで、直近数年で目立った邦人被害も確認されていない。そのため私たちも日中は歩いてスーパーまで出かけたりローカルバスに乗ってみたりと楽しんだ。
バスが行ってくれないような観光地へはヒッチハイクも大丈夫と宿の人に聞き(私たちは夫婦ペアだったというのもある)、2回ほど試してみたところどちらも1台目で乗せてくれたし、エスワティニの地元の人たちは非常に陽気で優しくオープンだった印象だ。
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さて、そんなエスワティニだが、個人的には男尊女卑文化の根深さについて考えさせられた国だった。
◇毎年開かれる、処女による国王のためのリードダンス
エスワティニの一つの見どころといえば、Mantenga Cultural Village。スワジの民族の文化を知ることができるセンターで、敷地内にもスワジの人々が暮らしている。
最大の見どころはダンスパフォーマンス。
男女20人くらいが自分たちで楽器や歌を奏で、伝統的なダンスを力強く披露してくれるもので、正直圧巻である。今でも思い出すくらい、本当にかっこよくて素敵なパフォーマンスだった。
実はエスワティニのダンス、特に女性による「リードダンス」は有名だ。
毎年、国中のヴァージン少女が何万人も集まり、国王の前でダンスを披露するという儀式のことである。
国王はその中から一人少女を娶(めと)るという。
正直、私たち日本人や西洋的価値観からすると、到底理解し難い文化ではあるが、これが今でも国の一大イベントであり文化として残っているのが事実なのだ。
Cultural Villageでのパフォーマンスでも、懇切丁寧にダンスの解説をしてくれるのだが、
「オレンジの衣装を着ている女性は既婚者です。赤い衣装の女性は未婚です。足を高くあげるダンスをするのが未婚の女性を表しています。」
という解説を聞きながら、文化の圧倒的な違いを頑張って受け止める時間を過ごした。
しかし繰り返すがパフォーマンス自体は非常に迫力がありかっこよく、最後は私も参加させてもらい、大変良い思い出になった。
エスワティニに訪れる人はぜひ行ってみてほしい。
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◇女性は牛の頭を食べてはいけない
Cultural Villageでは、村人によって敷地内のプライベートツアーをしてもらえる。
私たち夫婦を案内してくれた人は、「I’m a fortune teller」と自己紹介してきた。占い師だ。
村人の病気を治すために占ったり薬をつくったりしているらしい。
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彼から聞いた村の厳格な序列やルールを紹介する。
・長男は父の亡き後父の財産を継ぎ、次男は母の財産を継ぐと決まっている。
・木と草で作られたドーム型の建物(ハット)は、男性用と女性用にはっきりと分けられている。
・女性は睡眠用、料理用、ビール醸造用の3つのハットを使う。
・若い女性たちはグランマから、良い妻になるためのあれこれを教わる。
・敷地内で一番重要なハットは祖先のもので、その中では右側が男性ゾーン、左側が女性ゾーンと決まっている。
・村での重要な決め事は祖先の精神が宿っている祖先のハットで話し合う。
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そして、男女の区分も非常に明確に定められており、女性が入れないゾーンがあるだけでなく、下記のような決まりがある。
・女性は牛の頭を食べてはいけない。夫より賢くならないようにするため。
・女性は牛の舌を食べてはいけない。夫に向かって敬意を示さず発言することを防ぐため。
・女性は牛の足を食べてはいけない。夫の前を歩かないようにするため。
スワジの村の人たちは、今この時代もこれらのルールの中で暮らしているのだ。
皆さんはこれを聞いて何を感じるだろうか。
私は村を案内されながら、自分がもしこの村に生まれていたら・・・と考えたりもしたし、
この国の人と共にジェンダー平等を議論するとしたら・・・と考えたりもした。
しかし、自分の価値観と照らしたら理解できないことだらけでも、私がスワジの村の人たちを嫌うことはない。
笑顔で迎えてくれて、親切に案内してくれて、パフォーマンスで楽しませてくれて、快く一緒に写真を撮らせてくれた彼らのことをすごく好きになった。
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アフリカを縦断しながら、
マサイ族の村、ヒンバ族の村に訪れ、
タンザニアのムスリムの結婚文化の話を聞き、
スワジの村の暮らしを目の当たりにしてきた。
違いの面白さを知り、
自分の生きる社会規範が世界のほんの一部であることを知り、
今も存在する文化は長い歴史の中で根付いてきたものであることを知った。
日本に住んでいたら想像もできなかった暮らしを見せてくれたアフリカ縦断の旅。約2ヶ月の記憶に思いを馳せながら、アフリカ滞在最後の夜は、こんなごはんを作って夫婦で食べた。
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愛おしいアフリカでの日々終了。
中東編に続く。
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