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*≪催花雨≫*亡き父を思い東京から信州*長野へ。懐かしい山々そして桜は催花雨の如く私の目に降りそそぐ。

あれから、どのくらいの月日が過ぎたのだろう。

父を亡くして。

故郷を離れ東京に来た私は、父の余命を聞かされ幼子を連れて、毎週〈特急あさま〉で長野に帰っていた。

余命を知らされていない父の前では、泣き虫の私も涙を堪えた。

時に帰りの〈特急あさま〉の中で、幼子の胸を借りて泣きながら。

そんな時は、窓から見える自然豊かな風景に、どれだけ励まされ癒やされただろう

東京から長野へ行く時は

まるで、催花雨の如く時に涙は見せるなと振るい立たされながら。

そして、桜の舞う頃に父は天に昇った。

あれからどのくらいの月日が過ぎたのだろう。

私はふとまた列車に乗っている。

今は、新幹線になった。

迎える山々や自然の美しさ空気の匂いは、懐かしさを添えて私を迎えてくれる。

時に優しく、時に激しく、その美しさと壮大さは、私の目に心に、まるで催花雨の如く降りそそぐ。

  また、桜の咲く頃に。 


#旅する日本語 #信州 #長野 #催花雨


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侑✩由亜夢 (水無月流架)
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