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お久しぶり《勇樹》さん。実は漫画、特撮、アニメ好き。意外に男性は自分の趣味を隠したがるみたい。カラオケは[仮面ライダーBLACK♡キャプテンハーロック]【中編】〈カフェ30勇樹2中〉
本当に人は、見かけではわからない事も多い。まさか、あの人がギターが好きだったなんて、まさか、あの人がアニメが好きだなんて、他にもいろいろあるのだろう。
ただ、その時に思うのは意外さよりも親しみを感じる時。何故かホッとする時がある。
こんな話をしたら笑われるんだろうなぁ。もしかしたら嫌われてしまうかもしれない。そんな思いがあるから自分の中にしまい込み、変に趣味や好みを偏見な目で見てしまう人。
真面目そうだから、偉そうだから余計近づきにくいと思われる時もある。そんな時に、〈あれっ、あの人があんな趣味があるなんて、あんな事が好きだなんて〉と意外性が逆に好感度を上げる時がある。
それでも、やっぱり恥ずかしくて自分の中にしまい込むのも、それはそれで仕方ない事だけど、あからさまに〈ちょっとそれは〉みたいな趣味や好みで無ければ受け入れて見るのも楽しい時もある。そして、実は自分も興味があって好きだったら、それはそれは楽しい。
勇樹さんが、漫画、特撮、アニメ好きだったなんて。正直私も好きだったからビックリ。
私は、専門的というより趣味の範囲ではあるけれど。
「今は、仕事が忙しかったりであまり見なくなりましたけどね。私が子供の頃や自分の子供が小さかった時に見たテレビが楽しかったです。今はアニメとか時間帯が深夜が多くて情報が無いとわざわざ見るというタイプでもないんですよ。だけど好きなんですよ。ちょっと矛盾してますけどね」
何だか私と同じ感じかなと思った。めちゃくちゃ詳しい訳でも興味がある訳でもなくて、何となく見た作品が良かったら好きみたいな。そんな感じ。
「いいじゃないですか。見た作品が好きになるって。私もそうですよ。私もたまたまとか、何となく耳に入った情報で見たりとかですから」
私がそう言うと勇樹さんはにっこり笑った。
「でね。私が好きなのが〈仮面ライダー〉」
私も突然思い立って言ってしまった。
「えっ。ママ、仮面ライダー好きなの?」
ちょっと驚いた様な勇樹さん。
「そうなのよ。仮面ライダー。でね。仮面ライダーっていろいろ居るでしょ。だけど私が好きなのは〈仮面ライダーBLACKと仮面ライダーBLACK·RX〉なの」
私がそう言って笑うと
「仮面ライダーBLACK?。渋いですね」
「主人公の〈南光太郎〉と歌が好きなんですよ。オープニングとエンディング。特にBLACKのエンディングとBLACK·RXのオープニング。カラオケでは必ず歌います」
「え〜。本当ですか。凄い、凄いです」
「でね。アニメでは〈キャプテンハーロック〉宇宙海賊キャプテンハーロックかな」
「え〜。カラオケですか?。聞きたいですね。本当に渋い。私も、もちろん見てましたよ。松本零士さんの作品は好きで〈宇宙戦艦ヤマト〉〈銀河鉄道999〉好きでしたよ」
何だか、気づいたら私の好きなものの話になっていた。
「すいません。私の話ばかりで。ついつい懐かしくて」
「いやいや。私も嬉しいですよ。懐かしい」
「そうですか?。私も松本零士さんの作品も好きで、やっぱりカラオケで歌います」
「何かわくわくしますね。こんな話なのに。好きな事の話って楽しいし本当に元気が出る」
勇樹さんは、そう言って嬉しそうにグラスの水をまず飲んで、またコーヒーを口にした。
そういえば、話に夢中になっていて私ったら橙色のコーヒーカップにコーヒーを入れて、ちゃんとカウンターに出していた事に今気づいた。
「ねぇねぇ。ところで持ち込みたいコーヒーカップって、もしかして」
私は、もしかしたら漫画やアニメ系のキャラクターのコーヒーカップなのかとちょっと気になった。
「えっ。わかりましたか。そうなんですよ。実はずっと前に買ったパンダの漫画みたいな絵が入ったコーヒーカップなんですよ。実は奥さんがパンダ嫌いだったみたいで捨てて来なさいって言われまして。ずっとしまって置いたんです」
「パンダ?」
思わず吹きそうになった。どうして、漫画や特撮、アニメの話から〈パンダ〉?。逆を言ったら、どうして〈パンダ〉のコーヒーカップから漫画や特撮、アニメの話?。
ま、いっか。
「実は、私、パンダ好きなんですよ。パンダが嫌いな人って居るんですよね。家の奥さんみたいに」
やっぱり、吹き出してしまった。
「あら。パンダ、可愛いですよね。奥さん嫌いなんですか」
それでも、思い切り堪えながらやっとの思いで言った。
「やっぱり可笑しいですか?」
また心配そうに勇樹さんが言った。
「いえいえ、すいません。可笑しいんじゃなくて、私はてっきりアニメとかの話をしていたから、キャラクターのコーヒーカップかと思っていたから。そしたら〈パンダ〉なんて言うから、ごめんなさい。ごめんなさい」
私は、それでも更なる笑いを堪えて謝りながら言った。
「あぁ、確かに。ですよね。何でそうなったんだろう。面白いですよね。でも漫画も特撮もアニメも好きですよ。パンダも」
そう言って勇樹さんも笑った。
「うふふ。本当に面白いですね。でも楽しいです。じゃぁ。今度、パンダのコーヒーカップ持って来て下さいね」
私が言うと
「はい、ありがとうございます。持って来ます。嬉しいなぁ」
勇樹さんは、本当に嬉しそうに言った。
---パンダがそんなに好きなんだ。
すると。
「ねぇ、ママ。アニメ好きなら〈弱虫ペダル〉って言うアニメ知ってる?。漫画でもあるみたいなんだけど」
そう言った。
---何と。これまた私の好きなアニメ。
「え〜。もちろん。〈弱虫ペダル〉私も大好きなアニメなんですよ」
私が目を輝かせて言ったものだから、勇樹さんも更にニコッと笑った。
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