芽キャベツは、キャベツの赤ちゃんかと思っていたら全く違う野菜だった
食と農と文字が好きなライター あゆです。
わたしは、「食」の中でも「素材を味わう食事」に関心があります。
生産者が心をこめて作った農産物を最大限においしくいただきたい。そもそも、単体でおいしくあるようにと作られた農産物に、凝ったレシピは必要なのだろうか?という問いが生まれました。
今回は、レシピ本には書くに足らない、でも知っていたら素材をおいしく味わえる食べ方を紹介します。
芽キャベツは、よく見かけるキャベツの赤ちゃんではなかった
ところでみなさん。芽キャベツを調理したことはありますか?
見た目は小さなキャベツ。大きさの比率はこれくらいです。
では、芽キャベツが実っているところ、見たことはありますか?
こちらです。
よく見るキャベツの赤ちゃんじゃないのね!??
ヤングコーンがとうもろこしの間引き野菜であるように、芽キャベツはキャベツの赤ちゃんだと思ってた。
改めて調べると、キャベツは葉が複数枚でき、だんだんと結球になる。だから、よく見るキャベツはたくさんの赤ちゃんから厳選されたひとつではなく、葉っぱが何枚も何枚も重なって、大きなひと玉になっている。
それにしても、芽キャベツはこんなに一気に実るのかと新発見でした。同時に、均一の大きさにするのは技術が必要だろうなと、農家さんに聞いてみたくなりました。
芽キャベツを半分に切ってグリルしてみた
さて、どう調理しようか。
今回は、素材を味わうために焼きました。
レシピは、今井真実さんの「フライパンファンタジア」より、P.26「鶏とれんこんのローズマリーソテー」を参考にしました。
今井さんのレシピは鶏もも肉とれんこんを使ったレシピですが、「旬野菜を使っていこう」という本書の言葉にヒントをもらい、芽キャベツを加えました。
<作り方>
①オリーブオイルをしいたフライパンに、鶏肉を皮目からならべ、半量の塩を振る。
②鶏肉のすきまに、乱切りしたれんこんと、薄切りにしたにんにくをちりばめる。
③中火にかけて、5分ほど焼く。ふたはしない!
④鶏肉に焼き色が付いたら、鶏肉とれんこんを裏返す。
⑤すきまに、半分に切った芽キャベツを断面を下にしてフライパンに入れる。芽キャベツを入れたあと、ローズマリーと半量の塩を入れる。
半分に切るのは、火の通りをよくして、焼き色をつけるため。小ぶりなら丸ごとでもOKです。
⑥鶏肉の両面に焼き色がついたら、完成!
キャベツのように芯をとる必要なし。なんなら切らなくてもいい。洗って、いつもの料理にぽい!と入れることができる。めっちゃ楽だし、さらに彩り最高!とテンション高く料理しました。
芽キャベツってこんなにおいしいのか!
芽キャベツを食べてみると、ぎゅっと濃い甘みが感じられました。
味は、キャベツよりケールに近く、甘味と苦味が共存していて芽キャベツの存在感が目立っていました。
鶏肉→芽キャベツ→れんこん→芽キャベツの順番で食べてしまい、すぐに芽キャベツがなくなりました。
キャベツは淡色野菜なのに対し、芽キャベツは色の濃い野菜「緑黄色野菜」に分類されます。
芽キャベツはキャベツの変種で、ビタミンCはキャベツの4倍もあるそう(※1)。
栄養素から見ても、キャベツとは異なる野菜であり、芽キャベツのよさがあるのだなあ。
ところで、芽キャベツはどこで出会えるのか?
正直なところ、わたしは芽キャベツを買って調理したことがありません。
今回、Base Side Farmさんとのご縁で芽キャベツを食べて、「芽キャベツはキャベツとは全然ちがう野菜だ。おいしい…!」と実感したものの、近くのスーパーを3店舗ほどまわっても、芽キャベツを見つけられなかった(栃木県宇都宮市在住)。
前情報として、2020年の芽キャベツの生産量は静岡県が1位で、全国のシェア93%を占めるそう(※2)。出回る地域には偏りがありそうです。
そこで、メジャーなEC販売サイトを見てみました(※3)。
<食べチョク>
芽キャベツでヒットした生産者は2件。12/6時点で購入できるのは0件。
<ポケマル>
12/6時点で1件の農家さんが販売中。そのほか、野菜セットの中に入っているかも、といった情報がヒットしました。
そして、今回芽キャベツをいただいたBase Side Farmさんは、直売所にて芽キャベツを販売しているそう。
直売所で出会えたらラッキーです。ぜひ一度、キャベツとは異なる野菜「芽キャベツ」を試してみてくださいね。
👩🌾🥬
このシリーズは、東京・瑞穂町の多品目野菜農家 Base Side Farmさんとの共同企画です。
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<参考文献>
※1 高橋書店 白鳥早奈英・板木利隆監修「もっとからだにおいしい野菜の便利帳」
※2 静岡県 「芽キャベツの収穫量、作付面積、出荷量日本一」(2023年1月26日)
※3 農林水産省 「私たちの選択で支える国産の農林水産物」(2023年2月)