食好きなわたしが考える、令和の和食は何が展示されるのだろう?(特別展「和食」に行ってみた)
2月中頃の日曜日、東京・上野の国立科学博物館で開催されている「特別展『和食 ~日本の自然、人々の知恵~』」に遊びにいきました。
今回のnoteは、「令和の和食って、なにが展示されるようになるのだろう?」ということについて、私が考えたことを記します。
※撮影可能だった場所の画像を載せています。これから足を運ばれる方はご注意ください。
🔸特別展、見応えがあってめちゃくちゃ楽しかった
お昼ごはんを食べたら、「夜ごはんは何を食べようかな」と考えるくらい、食べることと料理を作ることが大好きなわたし。
わたしのような食いしんぼうにとっては、なんとも満たされる空間でした。
最初に、水やきのこ、野菜、魚など、食品別に区切った展示が並びます。
次は、縄文時代から昭和までの食文化の変遷が展示されていました。
同じ時代で、食べているものがこんなに違うって本当!?と思った模型が印象的でした。
西洋料理や中華料理って、約100年前に入ってきた文化なのだとか。
約2000年のうちの100年前って、最近に感じるな。
その後、和食を調理する際に使われる道具や、令和の食にまつわるトレンドが並んでいました。
🔸和食って、なんだ?
和食をインターネット検索すると、こんな定義がなされています。
この解説を見て、わたしは、レシピ本や給食にあるような一汁三菜や、お正月に食べるおせちやお雑煮を連想しました。みなさんはどうでしょうか。
🔸令和の和食ってなんだろう?
縄文時代から近代の食文化がずらっと並ぶブースを見ていると、「今このときを表す食文化ってなんだろう」と思ったんです。
特別展を見てから約一週間。今の考えを記すとこちら。
できないんかい!と思われた方、すみません。
明治・大正から世界の食文化を取り入れ、全国各地で同じ食べ物が食べられる流通が整い、食にかかる時間はなるべく短縮し、効率的な食事をとる。こんな現代を表現できる料理名や食品名が思い浮かばなかったんです。
選択肢や時間の使い方も多様化する今、令和の和食=〇〇と言い表すことは、きわめて難しいな、と感じました。
あえて、今の頭の中を言葉にするならば、
加工食品の冷凍技術や栄養素を補填することは、昨今著しく進化しているなと感じています。
たとえば、日清の「完全メシ」。
カップラーメンをはじめとしたインスタント食品に、33種類の栄養素を添加。インスタント食品=不健康という固定概念を覆し、「手早くに栄養素を補完したい」という現代ニーズに沿った商品です。
また、寿司ネタとシャリを一緒に瞬間冷凍できる冷凍技術も食文化に貢献しているように感じます。
たとえば、冷凍テックなどの技術。これを駆使すれば、一地域の食文化を全国に広げることができるなど、日本の食文化として浸透する一助になるのではないでしょうか。
そして、健康志向による「ダイエットつくりおき」や「筋トレ飯」も、令和ならではの食文化だと考えます。
新型コロナウイルスの流行に伴う健康意識の向上や、自宅での自由時間が増えたことによる傾向だと解釈しています。
整理してみると、どちらも和食の特徴⑵健康的な食生活を支える栄養バランスに通じますね。
和食は、ユネスコ無形文化遺産に登録されるほどですから、成熟した文化なのかもしれません。
ただ、和食の特徴である⑴⑶⑷については、進化よりも、存続・衰退に近いのではないかと、少しの危機感を抱きました。
🔸おわりに
特別展を見た帰り道。
わたしたち生活者の選択が、博物館に展示される令和の食文化を作るんだよな。
こんな気持ちが浮かんできました。
わたしたちが求め、買い続けるから、売れてトレンドとなり、それが文化になる。
わたしは、令和の和食をどんな文化だったと展示されたいだろうか。
こんなことをたまに思い出して、日々の食事を楽しみたいなと思っています。
最後に、特別展の最後に書いてあった言葉を残します。
わたしは、文化を知るために「食」というレンズがもっとも適していますが、建築や交通機関など、学びたいレンズはそれぞれなのだと思います。
それぞれのレンズで見た文化が、みなさんの中にどう残ったか、いろんな方と意見交換したい気持ちです。
国立科学博物館の展示は、明日2/25(日)までなので、お時間のある方は、ぜひ行ってみてくださいね。