心模様
恐い。
つらい。
苦しい。
恥ずかしい。
身体中にその言葉の数々が駆け巡る。
何者でもない私が。天才の欠片も、センスの破片もない私が。
選ばれし者だけしか通れないはずの道に少しだけ進んでみようとするなど許されない。
私が私を許さない。
全力でもがく。精一杯の力で制止する。
好奇心と羞恥心。諦めきれない想いと現実的な思考。
一歩も譲らない活劇。あらゆる感情がぐちゃぐちゃに入り混じる。
自分自身を奮い立たせることも、自分自身を批判することも疲れ果てたとき、
重いように感じていた空気が軽いことに気づく。
狭いようにみえていた空間が広く大きくみえる。
いつの間にか進むことも引き止めることも身体の隅々から消えていた。
何も考える必要なんてない。何も気にすることもない。
いま、身体の底から湧き上がるそのものを。
水たまりに映るわたし自身そのものを。
心模様は日々一刻一刻、コロコロと変わる。
けれど、心が私の中にひとつあることは変わらない。
どうしても譲れない想いがひとつあることに変わりはない。
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