コピー品の輸入差し止めに関する税関の統計情報の紹介(令和3年上半期版)
今日(2021年9月10日)、財務省は令和3年上半期の税関における知的財産侵害物品の差止状況をリリースしましたが、これについて日経新聞で取り上げられた記事を紹介します。
財務省は10日、知的財産権の侵害を理由に全国の税関で差し止められた輸入品が1~6月に46万764点あり、前年同期比で67.2%増えたと発表した。約8割が中国からの輸入品で、ベトナムやフィリピンも増えた。
<引用:『知財侵害の輸入差し止め6割増、1~6月 「鬼滅」も被害』 2021/9/10 日経電子版>
以下が財務省からリリースされた上記記事の元情報のトップページです。
ぼくも財務省からの元情報を見るのははじめてです。なかなかのボリュームなのでよくわからない方向けに、読み方やポイントを簡単に解説したいと思います。
医薬品の輸入差止点数が前年同期比915.6%増
まず上記トップページを見ればトピックスが表示されているので、ポイントをつかめると思います。個人的に注目した点は医薬品の輸入差止点数の前年同期比です。
品目別:健康や安全を脅かす危険性のある物品の輸入差止めが継続
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医薬品の輸入差止点数は16,755点で、前年同期と比べて815.6%増加しました。
前年同期比815.6%(正しくは915.6%)増加に驚きました。
『「医薬品」とは、病気の「治療」を目的とした薬のことで、厚生労働省より配合されている有効成分の効果が認められたもの』(kaо「お肌ナビ」より)で、処方箋によるものもあればドラッグストアで買えるものもあるようなので、コピー品を掴んでしまったら大変です。
国別・知的財産別・品目別リストが見やすい
国別・知的財産別・品目別リストは、下記のリンクから閲覧可能です。過去3年間の統計との対比もできるので、わかりやすいと思います。
令和3年上半期の税関における知的財産侵害物品の差止状況(資料)
「1.仕出国(地域)別輸入差止実績(件数)」ですが、前年同期比でベトナムが325.4%増、フィリピンが351.4%増です。300%以上の増加はこの2か国のみです。ただ全体に占める割合は中国が80.3%と圧倒的です。
「3.知的財産別輸入差止実績」では、全体の件数に対する商標権侵害に該当するコピー品の割合は96.3%と圧倒的です。つまりコピー品をブロックするには商標(ネーミング、ロゴタイプ、マークなど)の登録がいかに大切かがわかります。
ちなみに、過去の「知的財産侵害物品(コピー商品等)の取締り」に関する報道記事は以下のリンクから参照できます。