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#35 試合に出ること以外、選手に成長できるチャンスはあるのか

結論から言うと、個人的には選手は試合に出る機会がなければ成長はしない(成長するとしても緩やかに)と思っています。

今回は私がそう思う理由についてまとめてみました。

トップチームとアカデミーの体制とマネジメント方法の違い


先日、試合に出れなかった選手のマネジメントについてミーティングで話し合う機会があり、こんなツイートをしました。

引用元の動画もぜひご覧ください。

1つのチームといっても、育成年代では各カテゴリーごとのチームが存在します。
そのカテゴリーごとに監督が1人(+チームの規模によっては他カテゴリーのコーチまたはアシスタントコーチやトレーナー)が関わっているという形がほとんどだと思います。

よって、1カテゴリーあたり20人前後だとすると、ほぼ1人の監督でその人数のチームをマネジメントしなければいけない環境にあるという状況。

私は今まで主にトップチームに関わってきましたが、そこでは監督やコーチのタイプにもより、監督がフランクに選手と話し合える場合もあれば、監督と選手の橋渡しをコーチが行う組織もあります。

どちらにせよ、監督が全ての選手の状況を事細かく把握することは難しいため、コーチなどがそういった部分をサポートする形になっています。

しかし、育成年代の監督においては、

全体を把握しながら、
試合に出ている選手はもちろん
試合に出れていない選手も、
手段は違えど、
なるべく全て把握して適切な対応を進めていかなければいけません。

とはいえ、全ての選手に平等に時間をかけることなど不可能なため、

直接手をかけずとも選手が自ら成長していけるような環境づくり

がより重要になってくると思います。

注:トップチームにおいてはより監督やコーチが担う仕事内容(戦術面、相手の分析等)も多いので、どちらが大変か・楽か?などと一概に比べられるものではないことはご理解ください


チームにおける選手の状況分類


まず、チーム内の選手を大まかに分けると

①試合にコンスタントに出れている選手

②スタメンではないが途中出場の選手

③試合のメンバーには入ったが試合に出れなかった選手

④メンバーに入れなかった選手

⑤怪我やリハビリ中でプレー出来ない選手

以上の5つに分類されます。

先ほどのツイート内の動画内にもありましたが、

③の試合のメンバーには入ったが試合に出れなかった選手や、
④のメンバーに入れなかった選手

ここに分類される選手に対してのマネジメントが、指導者からすると特に難しいのではないかと思っています。

なぜかというと、

①・②に関しては、試合に出ることが少ない時間であっても、出場することによって、通用した部分や課題がより明確になりますが、

③や④の選手というのは、なぜ試合に出れなかった(メンバー入り出来なかった)のかについての理由を選手が理解する必要が出てくるからです


選手自身が試合に出れない理由に気づくのを待つべきか?


ここで、よく耳にするのが、

「試合に出れなかった選手が聞きにくるまでは伝えない」

「選手自身が気づくべきだから何も言わない」

といった対応です。

これ、私は間違いであるとは思いません。
基本的には選手自身が自ら考え気づく必要があるので、こういった方法が必要な場面もあると思います。

しかし、その対応を取るのであれば、誰かしらがフォロー(注意深くその選手を観察したり、話を聞いてあげるなど)できる体制が望ましいのですが、

先ほども挙げたように、

アカデミーにおいては大人数を監督1人でマネジメントしなければいけない状況が多いので、こういったフォローがなかなか上手く出来ないのが現状だと思います。

もちろん選手同士で鼓舞し、励まし合えるチームであれば問題ないかもしれませんが。

逆に、監督から試合に出れない理由を伝え過ぎてしまうことも良くないと思っています。

それは、

・指導者からのアドバイスは内容によっては指導者本人の主観的なイメージであるため、選手自身の考えと相違する可能性もある。その際にはしっかり説明し、理解してもらう必要が出てくる

・選手自身が考える機会が失われる

からです。

よって、

選手の自主性を促し、選手自身が考え気付けるようにすることが目的なのであれば、やはりそういった環境を作るべきなのではないかと思うのです。

では、そのためには何が有効か?と考えると、やはり

試合に出ること」が、

何ものにも代え難い貴重な成長の機会


であるという考えが自分の中でより強くなるのです。

すでに広まっている強豪チームの取り組み


先日Twitterにて目にしたサトウさんのツイートです

強豪高校や大学ではすでにこのような組織づくりが進んでいますよね。

つまり、同じカテゴリー内でも数チーム登録することにより、

ほとんどの選手が試合を経験でき、各選手の成長する機会を作ることによってサッカーとしての強さを向上させていることがわかります。

・・・そんなん、人数がいるからできることだよっ!!

とツッコまれてしまうかもしれませんが、その試合の経験というのは、

わずかな時間でも、
トレーニングマッチであっても、

かけがえの無いものだと思っています。

ただし、どのカテゴリーであってもやはりトレーニングマッチより「公式戦」であった方が望ましいですが。(公式戦はトレーニングマッチにはない緊張感のもとプレーできる機会だから)

そういった取り組みによって、チームの底上げが出来て、試合に出れている選手をおびやかすことによって、結果的にチーム全体が成長していきやすい環境が作れると思います。

選手には環境のせいにせず、自分自身で何ができるのかを問いかけつつ、こちらはその環境づくりに注力していかなければいけません。


結論


以上のことから、やはり私は

選手は試合に出る機会がなければ成長はしない
(成長するとしても緩やかに)

と思っています。

試合に出れている選手のマネジメントも大事ではあります。
しかしながら、極論試合に出れている選手は手をかけずとも少しのきっかけでも成長すると感じています。

今回はミーティングで出た話から、トップとアカデミーの違いなども踏まえながら私の考えをまとめてみました。

賛否両論あると思いますが、トップでもアカデミーでも基本的な成長の促し方は変わらないのではないかとも、記事をまとめながら感じています。



以上、アカデミーに関わり始めたばかりの新米S&Cコーチなので、ご意見ご感想ございましたら、ぜひお願いいたします🙏🙏

いよいよU18も今週末が開幕戦です!
チーム一丸となって成長できるよう頑張ります。

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