あなたの知らない経絡の世界~胃経の巻・後編
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こんにちは。ゆーのすけです。
前編の前回は、足の陽明胃経の流注(経絡の流れ)についての解説でした。
後編の今回は、通常の胃経の流れ(正経)とは別の枝分かれした流れである、経別や絡脈、経筋の流れについて解説していきます。
大前提として、陽明経は身体の前面を主に流注します。
以下の足の陽明経の流注図を見ながら記事読むとわかりやすいかと思います。
ポイント①『目系』と『心』とつながる
まずは、足の陽明経別についてみていきます。
そもそも経別とはなんでしょう?
足の陽明経別は、古典の表記では「足陽明之正」となっています。これは本経から分かれた経脈・別行する正経で、正経の別ルート・支脈であることを示しています。
体内の深層を走る正経12経脈循環の不足を補い、表裏関係、臓腑関係を強化します。
また、経別独自の経穴は持たず、主治症もないのが特徴です。
足陽明経別の流注
では流注をみていきましょう。
『髀(大腿上部・髀関穴あたり)』から陽明胃経より分かれた陽明経別は、『腹裏』へ入ります。
そして、臓腑である胃・脾・心をめぐります。
そこから上行し、『咽』をめぐり、『口』から表面へ出ます。
その後、『頞䪼(鼻茎と目の下:承泣あたり)』を上って、『目系』につながります。
そして、陽明胃経に接続します。
・『目系』とつながる
ポイントとしては、『目系』とつながるところと『心』にも接続されるところかと思います。
『目系』とは、「目と脳をつなぐ脈絡」とされ単純に目の周りを表しているわけではないみたいです。
脳血管にも影響しているとしたら興味深いですね。
なお、足少陽の経別も『目系』と接続します。
・『心』とつながる
もうひとつ、臓腑でも脾胃だけでなく『心』とも接続されます。
これは胃経の経脈病症に、精神疾患のような症状が複数あることを説明できる1つの理由になるのではと思います。
例えば、胃経の経脈病症に『心欲動』びっくりして不安な状態になる。や、『甚則欲上高而歌』高いところに登って歌いだす。などあります。
歌うのは胃の陽気を発散するためとも言われますが、『心』との関係性があることを踏まえればより納得感があるのではと思います。
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